IDEOが考える未来の自動運転オフィス「Work on Wheels」
イノベーションを生むための課題解決のアプローチ「デザイン思考」で注目を集める、世界的デザインコンサルティング会社IDEO。IDEOは、自動運転がもたらす未来のライフスタイルを、「Future of Automobility」として特集サイトにてアップデートを続けています。移動するオフィス「Work on Wheels」では、どんな新しい働き方が実現できるのか、見ていくことにしましょう。
IDEOの「Work on Wheels (WOW)」は、未来の自動運転オフィスのビジョンを表現しています。ガラス張りの台形のポッド内には、運転席を省いたシンプルで余裕のあるインテリアスペースがあります。自動運転EVは、夜間の電力のオフピーク時に充電され、予約システムを通してワーカーの送迎を行います。
WOWは、テレワークを行うリモートワーカーチームのための、オンデマンドのミーティングルームとしても使用できます。スタートアップは、オフィス賃料が高い大都市のヘッドオフィスを廃止もしくは縮小して、財務負担を軽減することができます。
ミーティングポイントには、桟橋やスタジアムの空き駐車場など、都市の活用されていないスペースや、自然のランドスケープでリフレッシュできる場所を選ぶことができます。システムが、渋滞ルートを避けてパーソナライズされたお好みの場所を、レコメンドしてくれるかもしれません。
WOWの全面ハッチをポップアップすれば、アウトドアが満喫できる開放的なオープンスペースが生まれます。
モジュール式に設計されたポッドは、様々なチームのニーズに合わせて再デザインが可能。予約システムが収容人数などのポッドのカスタムオーダーを処理して、チームが毎日スペースを再構成できるようにします。コーヒーマシンやコールドプレスジュースなどの、簡易キッチン設備も追加可能でしょう。
スライド式のスマートガラスパネルは、ワンタッチで新鮮な空気を取り込み、閉じたときにはチームを有害な紫外線や雑音から保護します。スマートガラスの透明度を不透明に変えて、プライバシーを確保したり、プレゼンテーションのために気が散らないように室内を暗くすることもできます。
車内に設けられた様々なサイズのディスプレイと柔軟なワークスペースにより、高度なコラボレーション環境が実現します。
フローリングの下には、チームが快適に生産性を保ちながら、何日もオフグリッドで過ごせるように大容量のフラットパック・バッテリーが収納されています。
遠隔地のロケーションでは、フードトラックや、モバイルドライクリーニングなどのオンデマンドサポートが利用できるかもしれません。これらもまた、無人の自動運転車がサービス提供している可能性があります。
一日の終わりに、WOWポッドは自動でサービスハブに戻り、充電や再構成が行われます。ハブは都市の低コストのエリアに配置でき、電動式ポッドは必要なメンテナンスが最小限ですむので、運営コストも低く抑えられます。
テレワークチームの久しぶりのオフラインミーティングを、WOWを使って緑豊かな場所やビーチ沿いの爽やかな環境で行うと、チームワークが促進され、クリエイティブなアイデアが浮かびそうです。これはというプレゼンを、ストーリーにそって場所を変えながら演出すれば、クライアントの心もがっちり掴めるかもしれません。IDEOの考える自動運転の未来が、今後どのようにアップデートされていくのか、注目したいと思います。