京都にある近所に愛される建坪わずか8.7坪の細長~い立ち飲み書店兼住居
舞台は京都市左京区。建坪わずか8.7坪の、本好き夫婦が暮らす細長い形の店舗兼住居を紹介する。
本好きの夫婦が住まう8.7坪の細長~い立ち飲み書店兼住居
書店の同僚だった住人(アルジ)夫妻。本好きの2人は結婚後も蔵書が増える一方で、とうとう部屋に数千冊の本があふれ出したため引っ越しを決意した。静かで住みやすいと人気の北山エリアで土地を探すも予算と折り合わず、ようやく見つけたのが間口14メートルに対して奥行きはたった2メートルという建坪8.7坪の細長い変形地。家づくりもコストダウンに努めた。
生活空間となるのは、2階のわずか29平米だけ。だが、メインスペースのリビングダイニングキッチンは突き当りに高窓があるため視線が抜けて光が入り、天井板もないため意外にも開放的な印象に。
ダイニングテーブルはワイン箱に余った端材を載せただけで、材料費は0円。目的に合わせて箱の向きを変えれば高さを変えることができる。
壁に沿って設置された自作のベンチは座面を少し広めにしてあり、座布団を乗せればデイベッドに変身。妻はベンチを化粧台としても使用する。狭小を克服するために使える場所やものは様々な用途で活用しているという。
古書店と駄菓子屋、立ち飲み屋を開業
1階は古書店を営業。実は元々1階は夫婦の書庫スペースとして設計し、2人が長年集めた蔵書を並べていた。近所への名刺代わりにとあえて全面窓ガラスにして本が目に留まるようにしていたところ、次第に本屋と間違えて入って来る人が現れ、「そんなにニーズがあるなら」と本屋としてオープンすることに。
すると今度は学校帰りの子どもが集まるようになったため、駄菓子屋も始めた。加えて書庫の奥のカウンターで立ち飲み屋を開業し、妻が切り盛りしている。今では多くのお客さんでにぎわい、開店2カ月にして売り上げは本屋を上回ったとか。
思いがけず始まった店舗兼住居の生活。今では本仲間が集まる場所になった。「人が来てくれるので毎日楽しい生活をおくっています」と住人(アルジ)。妻も「この家ができるまでは誰とも喋らないタイプだったけど、この場所が自然と人を呼んで、それを自然と受け入れられるようになった。この家が変えてくれたのが大きいかな」と話す。
狭さを克服し、夫婦の暮らしを変えたオープンな家は、MBS「住人十色」(関西ローカル)で11/2(土)午後5時放送で紹介される。