ミラノサローネ2019、照明の見本市「エウロルーチェ」ではスマートな照明が数多く出展。
ロー・フィエラ本会場で開催されるミラノサローネ国際家具見本市で、奇数年に当たる2019年は照明の展示会である「エウロルーチェ」が同時開催された。2年振りの今回はどのようなプロダクトや展示だったのかを紹介。
前回2017年のエウロルーチェの様子はこちら:ミラノサローネ2017は照明の見本市「Euroluce(エウロルーチェ)」!大注目の照明ブランド5選。
空間を感じさせる照明
今回は前回の2017年のエウロルーチェと比較して、明るさをもたらす照明自体の個別のデザインというよりも空間を意識したデザインが増えたように思える。光源としての照明というより、空間そのものをデザインしているような印象だ。
存在感があるというよりもデザイン自体はミニマルで自然に空間を意識させる。
LEDの紐のように自由な照明が空間に現れると、それだけでも十分な空間の意匠やアクセントになる。
また、機能的なダクト照明や照明の電源コードに当たる部分をデザインに昇華させていた。そういった点は、非常に実用的であるし、インテリアと統合したスマートなデザインとも言えるだろう。
モジュール化することにより空間的な印象を作るものも。
LEDにより点から線、面の照明へ
前回の2017年の時点でもそうだったが、今回のエウロルーチェはさらに積極的にLEDを使った照明が多く見られた。もともと点である光源は、LEDにより線状になり、さらに面として発光するLEDフラット照明のデザインも様々なものが登場した。
単純に四角いLEDフラット照明だけでなく、円状になったものなどユニークな照明が目を引いた。こういった照明のデザインはLED登場以前にはない新しい概念でデザインされていて、テクノロジーだけでなく確実に照明デザインの進化を感じさせてくれる。
また、LEDの光を透明なマテリアルに透過して柔らかい光を発するプロダクトなど、ユニークな照明も見受けられた。
屋外用の照明も多数展示
近年、ライフスタイルとして定着しつつある外遊びの文化を意識してか、屋外用の家具が増えているが、照明に関しても屋外用のプロダクトが確実に増えていた。
インテリアだけでなくアウトドアも照明によって豊かなライフスタイルを送る場になることを示している。
唯一無二の個性的なブランドの照明
エウロルーチェのトレンドを踏襲しながらも個性的な照明のデザインを展示する唯一無二のブランドも多数ある。オーストリアのクリスタルガラスブランドである「Swarovski(スワロフスキ)」は、独自な世界観を感じさせてくれるブースを作っていた。クリスタルガラスを使ったシャンデリアなどは、一般的には目にすることのないオリジナリティのある照明を見ることができた。
北欧はデンマークのデザイナーも務める同名のブランド「TOM ROSSAU(トム・ロッサウ)」は、印象的な光と影を作り出し、深みのある照明になっている。定番プロダクトからアレンジさせたもの、新作など非常に綺麗なものが多かった。
他にも有名ブランドやミラノサローネで毎年高評価を受けるブランドなどの展示は、どれも斬新で驚かされることになった。
今回ミラノサローネ2019での「エウロルーチェ」は、スマートな新しさがあり、LEDなどテクノロジーの進化によっての照明自体の新しい概念を感じさせてくれる見本市だった。