ミラノサローネ2018のローフィエラ本会場で見逃せない定番のインテリアブランド5選。

昨年のトレンド、ベーシック&クラシカルよりもミラノサローネ2018では、色鮮やかだったり、ベーシックなデザインにアレンジを加え少しユニークなものが見受けられた。しかし、いかにトレンドが変わっても変わらない普遍的なデザインは、いつの時代も人気だ。今回は例年通りローフィエラ本会場で見られた普遍的なデザインを提案する定番のインテリアブランドを紹介する。

世界で最も影響力のある家具メーカーでもある「Vitra(ヴィトラ)」

世界で最も影響力のある家具メーカーとも言われる「Vitra(ヴィトラ)」は、1950年にスイスで創業し、イームズやジョージ・ネルソン、ヴァーナー・パントン、イサム・ノグチと言った伝説的なデザイナーのプロダクトを扱っている。目新しい新作を発表すると言うよりは、その普遍的なデザインの家具を使ってコンテンポラリーなスタイリングを提案する。

イームズのシェルチェアをはじめ、定番でありながら現在でも愛されるデザインの家具を改めて学ぶことができる。毎年変わるそれらの世界観は非常に興味深い。

プラスチック家具のパイオニア的存在「Kartell(カルテル)」

今となっては当たり前のプラスチック家具のパイオニア的存在である「Kartell(カルテル)」。今年のブースは例年とは少し違った印象を受けた。区切られたブース毎に異なるテーマで自社の家具を紹介。その中には去年に引き続き吉岡徳仁の新作家具もあり、より明確なコンセプトを追求している。

今までは「Kartell(カルテル)」のデザイン性を見せる展示方法だったが、今回は使い方や機能性といった具体的なテーマが逆に興味をそそった。

イタリアモダンデザインの要「MAGIS(マジス)」

ラテン語で「もっと」の意味を持つ「MAGIS(マジス)」は、1976年にイタリアで生まれてからずっと斬新な製品を世に送り続けている。今回もジャスパー・モリソンや日本からは深澤直人のデザインの新作プロダクトを紹介している。

プラスチックを使ったプロダクトを得意としていて、その特徴を活かしより有機的な形態をデザインに取り入れているものが多い。

アメリカを代表する家具ブランド「Knoll(ノル)」

アメリカを代表する家具ブランドの「Knoll(ノル)」は、イタリアではなくアメリカの家具ブランドらしく、その合理性を追求したデザインが特徴的と言えるだろう。モダニズム全盛期のミース・ファン・デル・ローエやエーロ・サーリネンなどモダニズムを牽引したデザイナーや建築家とのコラボレーションで生まれた家具を今でも多く取り扱う。

「Knoll(ノル)」も目新しい新作を発表する訳ではなく、このBKFチェアのように素材や色使いを一工夫してそのタイムレスなデザインを残しながら市場にフィットさせるプロダクトを発表していた。

イタリアアヴァンギャルドを追求する「driade(ドリアデ)」

1968年にミラノ南東部の都市ピアチェンツァで誕生した「driade(ドリアデ)」は、現代においてもイタリアのアヴァンギャルドを追求する先駆者的な家具ブランドと言えるだろう。その個性的なデザインは、デビューした最初の時だけでなく、毎年ミラノサローネで注目を浴びている。

特にパリ生まれのデザイナー、フィリップ・スタルクとの協働で生み出されるプロダクトは、個性的でユーモアがあり、いつも見るものを驚かせてくれる。

 

いかがだっただろうか。これらの定番のインテリアブランドは、新作家具だけでなく、皆がよく知る伝説的なデザイナーとのコラボレーションで家具作ってきただけに、普遍的なデザインのスタイリングやアレンジを現代でも追求し続けている。そのため、ミラノサローネにおいて知っているようで知らない新しい世界観を見せてくれる。