世界最速の走る美術館「現美新幹線」で現代アートを楽しむ!
世界最速の走る美術館がある。現代美術の略称「現美」の名前を冠した新幹線「現美新幹線」のことだ。現美新幹線は、2016年4月から上越新幹線の「越後湯沢~新潟間」区間を土日祝日に運行中。
新進気鋭のアーティストの作品が展示され、時速200km以上で走行しながら現代アートを楽しむことができる、今までになかった世にも稀な美術館でもある新幹線だ。
蜷川実花による色鮮やかな花火が描かれた外観デザイン
現美新幹線の外観デザインは写真家であり、映画監督でもある蜷川実花が担当。黒を基調に夏の夜空を彩る長岡の花火を撮影した作品がプリントされている。
新潟の短い夏を彩る情熱的な花火のラッピングは非常に美しい。
車両ごとに新進気鋭のアーティストの作品を展示
現美新幹線は車両ごとに新進気鋭のアーティストの作品を展示。
指定席の11号車は、現代美術作家・松本尚による「五穀豊穣」「祝祭」「光」をコンセプトとしたインテリアをキャンパスに使ったインスタレーション作品。
自由席となっている12号車から16号車は、窓側のソファに座ってゆったりとアートを楽しむことができるようになっている。
12号車は、幾何学的な鏡面ステンレスで風景を反射するの小牟田悠介の作品。
写真家・石川直樹による「潟と里山」をテーマとした作品。
アーティスト・荒神明香の立体作品。
アメリカ出身のアーティスト、ブライアン・アルフレッドによるアニメーション作品。
画家・古武家賢太郎の絵画が飾られた13号車のカフェコーナーでは、新潟県の燕市でこだわりのコーヒーを提供するツバメコーヒーによるコーヒーや十日町すこやかファクトリーによるスイーツ、アルコールメニューを用意。
カフェに隣接して、林泰彦と中野裕介によるアートユニット「Paramodel(パラモデル)」によるキッズスペースが展開されている。ここでは、子供たちがその模様に合わせてプラレールで遊ぶことができる。美術館という少し小さい子供にとっては少し窮屈な空間が、現美新幹線の中では逆に楽しい空間に変わってしまった。
現美新幹線は土日祝日1日3往復で運行し、所要時間は約50分。その50分は、全く新しい芸術体験になる。新潟は越後妻有「大地の芸術祭の里」も開かれるアートの地でもある。その新潟のアートを時速200kmで移動しながら体験できる「現美新幹線」で現代アートを楽しむ旅に出かけてみよう。