オランダ・ロッテルダムにあるMVRDV設計の集合住宅とフードマーケットの複合施設「マルクトハル」

アムステルダムから鉄道で約40分、オランダ第二の都市ロッテルダムにも数多くの最新のオランダ現代建築が建っている。その中でもユニークなのが、2014年にオープンした集合住宅とフードマーケットの複合施設「マルクトハル」だ。設計は、アムステルダムでもユニークな集合住宅を数多くデザインしている、ここロッテルダムを拠点に活動する建築家集団MVRDVだ。

ロッテルダムに現れた巨大なトンネル

via : Wikipedia.

ロッテルダムのBlaak駅に現れた巨大なトンネル型の建築が「マルクトハル」。雑誌などで事前に知っていても、周囲の建物と比較しないとスケール感がわからないほど、その異様な形と高さが40mもあるトンネルの巨大さに驚く。トンネルの真ん中の部分が大きなフードマーケットで、その周囲のトンネルを形作っている部分が集合住宅となっている。

側面に回ってマルクトハルを観ると、正面があんなにダイナミックなファサードになっているとは思わせないモダンな集合住宅と言う感じだ。

ダイナミックな壁画がフードマーケットを覆う

via : Wikipedia.

高さ40mもあるトンネルは向こう側まで見通せて、もはや広場など屋外空間にあるような開放感が気持ちいい。外部空間と一体になったようなフードマーケットの壁面には、各住戸の窓もある。MVRDVは、この窓からロープを垂らしてマーケットの食べ物を買うユニークな提案をしたらしいが、流石にそれは実現されなかった。

トンネルの壁面にあたる場所には、花や果実などを描いたカラフルな壁画が描かれていて、美しくダイナミック。フードマーケットに入った瞬間に鮮やかな色合いが目に飛び込んで来る。この壁画はオランダ人アーティストが、市場でお馴染みの食料品や17世紀のオランダ絵画をモチーフにしていて「コルヌ・コピア(収穫の円錐)」と呼ばれている。

フードマーケットは2層になっていて、1階は約100店舗もの店舗が出店する市場になっていて、2階はフードコートやレストランが入っている。屋内食品市場としてはオランダ随一だとか。

美味しそうな食品やユニークな店舗

多民族国家のオランダだけあって、様々な生鮮食品や加工食品、お花が売られている。ここは色々な食肉を売っていて、ソーセージなども生のまま出していて、美味しそう。

フリーズドライさせたフルーツや野菜の専門店。色も鮮やかでリーズナブル。見ているだけで楽しい。

市場の中には日本人が接客している日本料理屋もあり、寿司やラーメンなど一通りの日本食を食べらる。値段も物価が高いオランダにしてはリーズナブル。中は気軽に食べ歩きでき、ブラブラ歩くだけでも楽しいフードマーケットだ。

 

もともとロッテルダムは第二次世界大戦中の爆撃で大きく荒廃した街だが、その反動かこのマルクトハルやキューブハウス、クンストハル美術館など今ではダッチ・デザインらしい革新的な現代建築が立ち並ぶ。その中でも「マルクトハル」は、MVRDVの発想とデザイン力を感じられる、一際ユニークでダイナミックな建築と言えるだろう。

Markthal – マルクトハル

URL : http://markthalrotterdam.nl
住所 : Ds. Jan Scharpstraat 298, 3011 GZ Rotterdam