小大建築設計事務所が手がける京都東山・石塀小路に一棟貸しブランド「季楽邸・清水」が開業

京都・東山の石塀小路に、新たな一棟貸し宿「季楽邸・清水(きらく てい きよみず)」が開業します。町家が連なる石畳の路地、その“奥行き”自体を滞在価値へ転換することを狙い、建築・内装設計は小大建築設計事務所(kooo architects)が担当。運営は「Nazuna」を展開する株式会社Nazunaの関連会社で、高級一棟貸し宿を手がける株式会社MUDANIが担います。高台寺・清水寺・祇園が徒歩圏という観光動線の中心にありながら、路地の静けさに身を預けるように滞在へ入っていく——京都の“賑わい”とは別のレイヤーを体験として編み直した宿泊提案です。

石塀小路の「路地体験」を、宿のプロローグに据える

「季楽 邸 清水」外観

「季楽邸・清水」が位置する石塀小路は、低く抑えられた石塀と石畳、町家が連続することで、足を踏み入れた瞬間に空気が切り替わるような場所です。名所へ至近でありながら、喧騒から少し距離を置ける“特別な一角”であることが、この宿の価値を決定づけています。本件で重視されたのは、宿の体験が建築内部だけで完結しないこと。路地へ向かうアプローチから室内へと体験が連続し、都市観光のテンポをゆるやかに解きほぐしていく導線として設計されています。結果として、観光の合間に「泊まる」のではなく、路地の静けさを入口に「暮らすように滞在する」という質へと重心が移ります。

小大建築設計事務所が引き出す、石・木・土の調和と環境性

建築・内装設計を担う小大建築設計事務所は、宿泊施設やリノベーションブランド「一畳十間」などでも知られ、既存環境の文脈を読み替えながら“体験としての空間”を組み立てる設計で評価を得てきました。本プロジェクトでも、石塀小路がもたらす奥行きや内包感を滞在価値として捉え、周辺環境と呼応する石・木・土といった素材を用いること、そして町家が本来備えてきた「控えめな開口部から光や風を取り込む環境」を最大化することが掲げられています。華美な装飾で非日常を演出するのではなく、素材と陰影、風の抜け、余白の取り方で静けさを成立させる——東山の街並みに“静かに接続する”という設計姿勢が、宿の品格を下支えします。

小大建築設計事務所 建築家 小嶋伸也・コメント

「石塀小路に連なる低く抑えられた石塀は、路地に足を踏み入れた瞬間に独自の世界観と包まれるような安心感を生み出します。本計画では、宿としての体験が建築内部だけで完結するのではなく、この路地へのアプローチから連続するものであることを重視しました。石・木・土といった周辺環境と呼応する素材を用い、京都町家が本来備えてきた、控えめな開口部から光や風を取り込む環境を最大化することで、街並みの魅力に静かに接続する設計を目指しています。」

一棟貸しならではの機能と運営品質、そして「泊まれる資産」モデルへ

建物は伝統的な木造二階建て。1階にはプライベートシェフを招くこともできる設備の整ったキッチンとカウンター、庭を望むリビングと座敷を備え、滞在の中心を「食」と「居間」に据えています。2階にはベッドルームと、檜の香りを楽しむ広い浴槽を設け、観光で高まった感覚を静かに鎮める回復の場をつくりました。さらに滞在中は専属スタッフがレストラン手配や観光の相談などを細やかにサポートし、一棟貸しでありながらサービス品質も担保する運営体制を整えています。

また、「季楽邸」は地域に眠る価値ある伝統家屋などの遊休資産を、オーナー(投資家・パートナー)と共に再生・運用する事業モデルを掲げています。オーナーは私的に滞在でき、利用しない期間は宿として運用することで、居住性と事業性の両立を目指す考え方です。京都の中心部で希少性の高い伝統家屋を“別邸”として持ちながら、運用の設計までを一貫して支援する——「泊まれる資産運用」という切り口は、今後の歴史的建築の継承方法にも示唆を与えます。

街の魅力に静かに接続する「季楽邸・清水」

「季楽邸 ・清水」は、京都東山・石塀小路の路地が持つ奥行きと包容感を、アプローチから室内へと連続する体験に転換した一棟貸し宿です。小大建築設計事務所による素材と環境性を生かした設計、Nazuna関連のMUDANIによる運営品質、そして伝統家屋を“別邸”として再生・運用する事業モデルが重なり、観光の中心地にありながら静けさを味わう新しい京都滞在の選択肢となります。街の魅力に「静かに接続する」ラグジュアリーを、東山の路地で確かめたい宿です。

季楽邸・清水

予約:https://www.nazuna.co/property/kiraku-tei-kiyomizu/
住所:〒605-0825 京都府京都市東山区下河原町463−35