バケラッタ主宰の森山善之が手がけたアートギャラリー「ア・ライトハウス・カナタ」で初個展『三原研・響』開催!
国際現代アートギャラリー「ア・ライトハウス・カナタ」が、バケラッタ主宰の建築家・森山善之設計による表参道の新拠点に移転オープン。その記念すべき「初個展」として、現代陶芸の巨匠・三原研の最新作シリーズ「響」が開催されます。
森山善之(バケラッタ)設計!表参道に移転した新「ア・ライトハウス・カナタ」

国際現代アートギャラリー「ア・ライトハウス・カナタ」(A Lighthouse Kanata)は、この度、東京・表参道の自社ビルに移転し、新たな活動拠点としてリニューアルオープンしました。この新ギャラリーの設計を手掛けたのは、建築設計事務所バケラッタ(bakeratta.LLC)を主宰する建築家・森山善之です。

森山は、「無用の用」をテーマに、光や影、音などの環境要因と建築を融合させる独特の感性を持つ建築家として知られており、その哲学は、この新ギャラリーの空間にも色濃く反映されています。新ギャラリーは、地下1階と地上1階にまたがる約500平方メートルの広大な展示空間を持ち、コンクリート打ちっぱなしの壁や、光の入り方を綿密に計算した窓配置など、国際的な現代アート作品を最も引き立たせるためのミニマルで洗練された設計が施されています。

この新たな拠点は、「ア・ライトハウス・カナタ」が目指す「日本の現代アートと世界を繋ぐ灯台(Lighthouse)」としての役割を物理的に体現する場所であり、森山善之の建築によって、作品と鑑賞者、そして環境との間で創造的な対話が生まれる舞台が完成しました。

表参道の中心地に誕生したこの新しいアートスペースは、日本の現代アートシーンにおける重要なランドマークとして、今後大きな注目を集めることが期待されています。
バケラッタ / 森山善之
バケラッタ(bakeratta.LLC)は、建築家・森山善之氏が主宰する建築設計事務所です。森山氏は「無用の用」をテーマに掲げ、光、影、音などの環境要素を建築に織り交ぜることで、身体感覚に深く訴えかける繊細でミニマルな空間を創出します。住宅から商業施設、そしてギャラリー建築まで幅広く手がけ、その作品は、構造と素材の持つ本質的な美しさを追求し、人々と環境との創造的な対話を生み出すことで国際的に高い評価を得ています。
I INが内装を手がけたラウンジスペース

「ア・ライトハウス・カナタ」の新ギャラリーでは、バケラッタ主宰の森山善之が設計した展示空間に加え、インテリアデザインオフィスIINが内装を手がけたラウンジスペースも設けられています。I INは、「人と自然と物質の共感性を生み出す」をテーマに、身体感覚に訴えかけるような繊細な空間づくりを得意としています。

彼らが手がけたラウンジは、アート鑑賞の興奮や集中から一旦解放され、心静かに作品の余韻を味わうための静謐な場所として設計されました。展示空間の力強いコンクリートの質感とは対照的に、ラウンジには柔らかな素材や温かみのある照明が採用され、居心地の良い「間」が創出されています。このラウンジスペースは、単なる休憩所ではなく、鑑賞者が三原研氏の作品や森山善之氏の建築から受け取ったインスピレーションを内省し、より深く「ア・ライトハウス・カナタ」の哲学に触れるための重要なトランジションエリアとなっています。このように、新ギャラリーは、建築(森山善之)、インテリア(I IN)、アートという異なるレイヤーの創造性が重なり合う、多層的な文化体験を提供する場として機能しています。
I IN
2018年に東京で設立されたインテリアデザインオフィス。店舗、レストラン、オフィス、住宅、インスタレーションなど幅広い分野の空間デザインにおいて、モダンラグジュアリーの世界を追求している。そのプロセスは相手の中心に入るように視野を向け、そこにある個性を見つけることからはじまる。あらゆる会話をきっかけに、光、材料、重力といった普遍的な要素に新たな輝きをもたらすことで、感動のある空間を実現している。突き抜けた美しさのあるインテリアからは豊かな未来を感じさせ、人々の記憶に残るデザインは国内外で評価を受けている。
三原研の新ギャラリー初個展「響」— 「器」の枠を超えた建築的な造形

新しく生まれ変わった「ア・ライトハウス・カナタ」の歴史的な「初個展」を飾るのは、現代日本陶芸界の第一人者である三原研(MIHARA Ken)です。個展「響」は、2024年12月6日(金)から2025年2月15日(土)までの会期で開催され、三原研の最新シリーズが発表されます。三原研の作品は、従来の「器」という概念の枠を超え、彫刻的かつ建築的な造形美を持つことで知られていますが、本展で発表される新作「響」は、その革新性をさらに深めたものです。
彼の作品は、ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館やニューヨークのメトロポリタン美術館など、世界の名だたる美術館に収蔵されており、その国際的な評価は不動のものとなっています。この最新シリーズは、土の記憶を深く掘り下げ、焼成プロセスを通じて偶然と必然が交差することで生まれる、重厚ながらも静謐な「景色」を器の表面に宿しています。森山善之が設計したギャラリーの空間自体が持つミニマルな美しさと、三原研の作品が持つ建築的なスケール感と深みが呼応し、「響き合う」ことで、陶芸作品という枠を超えた、空間と造形が一体となった圧倒的なインスタレーション体験を鑑賞者に提供します。この新ギャラリーの門出を飾るにふさわしい、日本そして世界の陶芸界における最先端の表現を提示する展覧会となるでしょう。
自然の摂理と土の記憶を辿る三原研の美の探求

三原研の創作活動の根源には、故郷である島根県出雲の風土と自然の摂理に対する深い洞察があります。彼の作品は、自身の目で見た故郷の自然、そして太古からの土の記憶を辿り、普遍的な美を追求する旅の軌跡そのものです。過去の主要なシリーズである「起源」「鼓動」「醒」などを経て、今回の最新シリーズ「響」が生み出されました。三原研は、特別な釉薬や顔料を使わず、出雲の土と薪窯の火の力のみによって、作品の表面に複雑で奥行きのある色調とテクスチャーを出現させます。
作品が持つ静かな佇まいと、その表面に現れる多層的な色やひび割れは、長い時間の中で土が内包してきた記憶と、炎によって引き出された自然のエネルギーが織りなす「未知の景色」を表現しています。「響」というタイトルには、作品自体が持つ内なる声、そしてそれが新しいギャラリー空間でどのように響き、鑑賞者の心に共鳴するかという問いが込められています。この個展は、三原研の飽くなき探求心、すなわち「土の記憶を頼りに、見たことのない美を求める」という彼の制作姿勢の集大成であり、鑑賞者は彼の作品を通じて、時間、自然、そして造形の根源的な美しさを深く感じ取ることができるでしょう。
三原研 / KEN MIHARA
1958 島根県簸川郡(現・出雲市)佐田町に生まれる
1981 舩木研児氏に師事
1999 NHK BS2[やきもの探訪]にて「大いなる─器」放映
2005 第1回菊池財団海外研究助成金によりイタリア滞在(-2006)
現代日本の陶芸と空間デザインの融合を体感
森山善之のミニマルな空間と三原研の建築的な造形が「響」き合う本展は、土の記憶と自然の摂理を探求する三原の芸術の集大成です。表参道の新ギャラリーで、世界を魅了する現代日本の陶芸と空間デザインの融合を体感してください。
三原研 個展「響」
開催期間:2025年11月20日(木)~12月6日(土)
開催時間:11:00-18:00 ※最終日のみ、16:00終了
定休日:日曜・月曜・祝祭日
会場 :ア・ライトハウス・カナタ
所 在 地:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前3丁目5-7
電話番号:03-5411-2900
※作家在廊日:11月 20日(木)、21日(金)、22日(土)