「人生は楽しんだもん勝ち!」anea cafe・BOTANIZEの経営を手がける横町健さん

都内に「anea cafe」を6店舗、「BOTANIZE」という塊根植物・園芸雑貨などを中心としたショップを2店舗、アートイベントなどのキュレーションも行なっている、ワンチャン大好きな横町健さん。

今回は、そんな横町さんにanea cafeのこと、塊根植物のことなど様々な角度からお話を伺いました。

暮らしの中で大切にしているデザイン

はじめに、横町さんが暮らしの中で大切にしているデザインについて伺いました。

「身の回りに置くもの、インテリア、ブロダクトなどは、設置場所によって、何かしらの統一感を持たせる、ということが僕の中で絶対です。例えば、違う素材のものでも色のトーンを統一する、家具だったらブランドを揃えるだけでなく、逆にブランドがバラバラでも、原産国や年代を統一させたりしています。」

お好きな場所・空間

続いて、お好きな場所や空間について伺うと、

「オフィスが好きな場所の1つですね。デスク周りだったり、オフィス全体を好きなもので埋め尽くしたりしています。あと、僕は毎朝5kmウォーキングしているんですが、その1本道の歩道もすごく好きです。割と同じことの繰り返しだったり、ルーティーンを作るのが好きです。」

居酒屋のアルバイトを経て起業

現在はanea cafeを6店舗経営している横町さんですが、実は、居酒屋のアルバイトを経て起業を決意したそうです。一体どういうことなのでしょうか?

「元々学生時代から居酒屋でアルバイトをしながら、副店長としてホールを任されていました。その時はまだ20代前半だったのですが、お店に来るお客様の下のお名前とファーストドリンクを全て暗記していたんです。お客様が見えた瞬間にドリンクのオーダーを通し、お客様をお迎えし席につかれたと同時に、おしぼりとドリンクをお出しするということをやっていました。誰かに『やれ』と言われたわけではないんですけど、お客様が喜んでくれるのが楽しくて…。しかも、僕がお勧めする商品を必ず注文してくれていて、その時、本気でこれをやっていたら売り上げが相当上がるなと思っていました。そこで、当時の社長に『売り上げ倍にするので、給料倍にしてください』と直談判したところ、笑いながら『無理だよ〜でもまぁやってごらん』と言われました。」

「早速、翌月には給料が倍になっていたんです!その時に、『あっこれは自分で何かやらないとダメだな』と思い、起業を決意しました。犬とカフェが好きだったので、将来はワンチャンも一緒に入れるカフェを作りたいと思い、そこから10年間準備を重ねてきました。」

anea cafeのコンセプト「家より先に帰る場所」

続いて、anea cafeの特徴やアピールポイントについて伺うと、

「anea cafeのコンセプトは『家より先に帰る場所』。僕のお店は、全てターミナルステーションから、少し離れた場所にあります。例えば新宿や、渋谷から2.3駅離れた場所に出店しています。ターミナルステーションで戦っても大手のチェーン店さんには叶わないので、そこの土俵には上がらないことをしました。ターミナルステーションで働いている方が、帰る前にふらっと徒歩で寄っていただけるのを狙って、そういう立地で出店をしています。」

デザインする際にこだわったこと

anea cafeをデザインする際にこだわったことはなんでしょう?

「anea cafeは、現在6店舗あってどの店舗も立地によって、内装やコンセプトを全て変えています。例えば、代々木公園の1番近く、参宮橋駅店では代々木公園からワンチャンを連れてご来店される方がすごく多いんです。そのため、ワンチャン同士がトラブルにならないようにある程度段差をつけて、ワンチャン同士の視線が合わないようにしたりと気を使っていますね。」

大人気ドラマsilentで使用「anea cafe松見坂店」

anea cafe松見坂店は、川口春奈さん主演の大人気ドラマ「silent」で使われ、たくさんの人が足を運んでいます。そこで出てきたサイレント席が今は大人気だそうで、そのことについて伺うと、

「松見坂店は、駅から離れている立地です。ただ、撮影のスタジオが近くだったり、業界の方もとても多く、最初からこの店舗は撮影に使っていただけるように外の窓の抜け間を計算したり、家具のデザイン、配置を考え、撮影重視で作ったお店だったんです。サイレントのドラマでは、僕が理想としている角度からドンズバで使っていただけたので、オンエアを見た時は鳥肌が立ちました。(笑)」

また、インタビュー時、横町さんはちょうどanea cafe松見坂店近くにいたようで、「今も200人ぐらいの方が並んでいらっしゃいます(笑)」と大人気ぶりを教えてくださいました。

植物に興味があった子ども時代

anea cafeの他に、BOTANIZEを経営していますが、植物に対しての興味は子どもの頃からあったそうです。

「僕は、小学校3年生ぐらいから部屋中をサボテンで埋め尽くすようなサボテン少年だったんですよ(笑)きっかけは、父はエンジニアだったのですが、幼い頃ドイツにいてたまに日本に帰国すると、父も趣味で盆栽をやっていたんです。そんな父によく園芸屋さんに連れられて、サボテン1つ買ってもらい…そこから完全にハマりましたね。お小遣いは、全てサボテンに注ぎ込んでいました。その頃から収集癖が異常でした(笑)」

「その趣味は小学校6年生ぐらいまで続いたんですが、中学生になり色気付くようになって、サボテンのことは忘れてしまいました(笑)」

塊根植物にハマったきっかけや魅力について

横町さんが塊根植物にハマったきっかけはなんだったのでしょうか?

「8年ほど前にたまたま知人の事務所に遊びに行った時に、そこに塊根植物がいくつかあったんです。それを見せてもらって手に取った時に、サボテン少年だった時の熱い思いがフラッシュバックしてきて…(笑)そこで1つ譲っていただき、そこからに塊根植物にハマってしまいましたね。」

続けて、塊根植物についての魅力に伺うと、

「植物なので育てる楽しさはもちろんあるのですが、成長スピードが遅いものだと、年間に数ミリぐらいしか成長しないものもあるんです。拳代でも樹齢で10年20年というものがあるんですよ。そういうものはある程度完成された樹形をねじる、その塊根植物の特徴が根っこだったり茎に水分をたくさん含む、そういう多肉植物の一種なんですよ。なので、ぼってりしているのでフィギア感覚に近いものがあります。そこがハマったポイントですね」と教えてくれました。

塊根植物に特化した理由は?

「BOTANIZE」は塊根植物に特化したお店です。あえて特化した理由については、

「僕の性格が1点集中型なので、完全に塊根植物が大好き。ただそれだけなんですけど、もう1つは居酒屋ファミレスでなく、僕はラーメン屋さん、焼肉屋さん、と専門店が好きなんです。そこに特化することが、よりファンを惹きつけるのではないかなと思いました。」

数々のアパレルショップとのコラボについて

BOTANIZEでは、アパレルショップとコラボしたグッズやイベントなども企画されています。どんな反響があるのでしょうか?

「アパレルさんなどとイベントするようになったのは、『こんな面白い植物をもっと世に知ってもらいたい!』っていう気持ちから、感度が高いファッション好きの人に刺さるのではないかと思ったのがきっかけです。それから、いろいろなイベントをやってきましたが、やっぱりハマりましたね(笑)洋服好きな人は、植物好きな人がとっても多いイメージです。」

比較的育てやすい塊根植物

そんな横町さんに、塊根植物は育てやすいのかと伺うと、

「値段が高いものもあるので、高さゆえに難しんじゃないかとおもう方もいると思うがそんなこともないです。温度管理とか難しい品種もありますけど、ズボラに放っておいた方が元気に育つとかそのようなものもあるので比較的育てやすいと思います。」

また初心者でも育てやすいおすすめを聞くと「ユーフォルビア・オベサ。僕がハマってから最初に集め出した植物で大好きな植物です。初心者でも育てやすいのでおすすめです」と教えてくれました。

LIFE is Fun!

インタビューの最後、横町さんに「Life is ◯◯」空欄に当てはまる言葉を尋ねると、「Life is Fun」と答え、

「僕の座右の銘が“人生楽しんだもん勝ち”なんです!なので、人生を楽しむ!人生は楽しい!同じ内容の仕事でもいかに楽しみながらやること。全ては気持ちの持ちようだと思うので、とにかく楽しむ!これに尽きます!」とインタビューを終えました。

インタビューを終始明るく、楽しくお話ししていただいた横町さん。横町さんの楽しむことを忘れない気持ちは、横町さんが作り出すものを通して、私たちに伝わってくるのかもしれませんね!人を喜ばせるのが好きで、自身をサービス業向けの人間なんだとおっしゃる横町さんが、今後も世界にどのようなものを生み出すのか楽しみです!