
建築家の設計で生まれた、生活感を感じさせない、丁寧な住まい
「生活感を感じさせない、丁寧な住まい」は、日々の営みをあえて感じさせない、静かで整った空気が流れています。欲しいものだけを選び、生活の気配を感じさせない控えめな住まいを建築家とともに作り上げました。
暮らしの機能はしっかりとありながら、表には出さない。このような控えめで美しい設計が、日常を少しだけ特別なものにしてくれます。
今回は、長崎県に建てられた平家の「生活感を感じさせない、丁寧な住まい」をご紹介します。
白の静けさが広がる、凛とした外観
この住まいは、白を基調にしたシンプルなデザインが印象的です。窓のないフラットな外壁と、平屋の水平ラインが存在感を放ちます。建築家は、外観における「静けさ」を徹底的に追求し、色・形・高さのバランスにこだわって設計しました。
余計な装飾を省いたフォルムは、むしろ美しく、周囲の自然や空と静かに調和します。白い壁面に映る陰影すら、時間の経過とともに変化し、住まいそのものが豊かな表情を見せてくれます。
見せずに整える、気配りが行き届く玄関
玄関に足を踏み入れると、まず感じるのは整った空気感。床の素材と色を揃えつつ、上がり框には黒いラインをあしらい、段差の存在をやさしく示しています。
空間全体の統一感を保ちながらも、さりげないデザインのアクセントとして機能し、自然なつながりと視覚的な美しさを両立させています。
建築家は「生活感を見せずに暮らす」ことを玄関から徹底。そのため、靴や荷物をすっきりと収める収納をさりげなく配置し、視覚的なノイズを排除。
結果として、玄関は住まいの“顔”であると同時に、余白をもって心を迎える空間となっています。
生活感のない整うキッチンと収納
このキッチンは、グレーを基調にした落ち着いたトーンでまとめられ、ダイニングと一体感のある美しい空間に仕上がっています。
グレーという色は、主張しすぎず、素材の質感や光の陰影を引き立てる役割も担っています。建築家はこの空間を「生活感を消す」という視点だけでなく「暮らしの所作を美しく見せる」ことも意識して設計しました。調理や配膳など動きのひとつひとつが、自然と空間に馴染むようにレイアウトされています。
また、キッチンの後ろは生活感を見せない収納設計が施されています。背面には大容量の収納棚がありながら、扉を閉じれば一切のモノが見えず、空間はいつも整った印象を保てます。
使いやすさと美しさを両立させるために隠す収納と動線の滑らかさに配慮。料理をする時間すら心地よく、整った暮らしを支えるキッチンになっています。
扉を開ければ、まるでディスプレイのように整えられた器や調理家電が現れ、空間に個性と趣を添えてくれます。色や質感に統一感を持たせることで、生活用品であっても見せたくなるインテリアの一部に。
一方で、シンプルで静かな空間にしたいときは、引き戸を閉めるのみ。収納全体をスマートに隠せる構造により、生活感を一切感じさせない、洗練された空間へと一瞬で切り替わります。
ホテルのようにくつろげる、白を基調としたリビング
白を基調に、最小限の家具と装飾で構成されたリビングは、まるでホテルの一室のようです。余計なものが目に入らず、視線が自然と大きな窓の外にいきます。窓からは、緑とやわらかな光が差し込み、室内に穏やかな陰影を生み出します。
建築家は、「くつろぎ」と「視線の抜け」を両立するため、窓の配置や家具の高さにも丁寧に配慮しています。何もしない時間すら贅沢に感じる空間が特徴です。
緑とつながるバルコニー
バルコニーに出ると、目の前に広がるのは豊かな緑。周囲と程よく距離を保ちつつ、まるで森の中にいるような感覚を味わえます。
この空間は、単なる屋外ではなく「内と外のあいだ」に位置する中間領域として設計されており、心地よい風や雨音を楽しめるように工夫されています。
ガラスパーティションが生み出す開放感
この空間は、建築家が細部まで意識して設計した、開放感とプライバシーが共存する住まいです。リビングと洗面・トイレエリアを仕切るのは、黒枠のシャープなガラスパーティション。壁で完全に区切るのではなく、視線と光を通すことで、空間全体に広がりと一体感をもたらしています。
生活感を見せない余白が主役の洗面スペース
洗面スペースは、シンプルな造作カウンターと間接照明が上質な雰囲気を演出。奥にはトイレが控え、動線にも無駄がありません。床や壁の色味を統一することで、空間に連続性と落ち着きが生まれています。
この設計の最大の特徴は、余白を大切にしている点です。必要以上に物を置かず、壁際やカウンター下にもゆとりを持たせることで、使う人が自由にアレンジできるスペースが確保されています。建築家の工夫によって、機能性と美しさ、そして住む人の自由な発想を受け止める余白が、住空間に新たな価値をもたらしています。
生活感を感じさせない、丁寧な住まい
この住まいには「暮らす」ことを感じさせない美しさがあります。あえて生活感を見せない設計は、建築家がひとつひとつ丁寧に選び取った配置と余白、そして素材の組み合わせによって成り立っています。
生活を感じさせない住まいは、心地よく日々の暮らしの中で特別感を感じられます。理想の暮らしを叶える家づくりの参考にしてみてはいかがでしょうか?