建築家が手がけた二世帯が過ごしやすい工夫が盛りだくさん「時の移ろいと彩りを楽しむ住まい」
最近は、二世帯住宅を検討している人が増加しているそう。実家の土地を活かしたり、遠方で暮らす一人暮らしの家族との同居を考えたりと、その人口が増えつつあります。2つの家族が同居するとなると、気になるのはそれぞれの導線とプライベート空間。程よい距離感で繋がられる、心地よさが重要になってきます。
今回は建築家が手がけた、「時の移ろいと彩りを楽しむ住まい」を意識した住宅をご紹介。ライフスタイルが確立された家族が住む家ということで、家族ひとりひとりの居場所と、そこで時間を過ごして心地のよいスペースとなるような仕掛けを施し、ワンちゃんも家族の一員であり、奥様が家事をするのにも後ろをついてくるといいうエピソードを聞いていたことから、それもまた微笑ましくなる様な空間づくりを提案したといいます。住まいについて、前半・後半に分けてお伝えします。
開放的で機能的にも優れた玄関
二世帯が利用する玄関ホールは、明るく開放的な雰囲気。大容量のシューズクロークに、アウター収納のためのクローゼットも設け、機能的にも充実しています。
ポイントとなるのは、正面のリビングへ繋がる動線と、玄関から直接親世帯の居室へ繋がる動線があるところ。二つの家族が暮らすということで、お互いの距離感への配慮が感じられる設計になっているんです。
親世帯居室&ウォークインクローゼット
親世帯が暮らす居室は、造作カウンターと天井の間接照明が落ち着いた空間を演出。柔らかな明かりで、部屋を明るく照らしてくれます。
この居室へは、玄関から直接部屋に入ることが可能。ウォークインクローゼットを抜けるとリビングを通ることなく、そのまま水廻りを行き来することができるため、生活スタイルが異なる家族との同居にストレスを感じることもありません。自分への生活スペースがお互いにバッティングすることなく、プライベートな時間を気兼ねなく過ごすことができます。
洗面&ランドリースペースは導線重視で使いやすく
洗面とランドリースペースは、二世帯住宅として家族全員が使いやすい配置に。
たっぷりスペースの洗面所は、忙しい朝でも渋滞せずに心地よく使えそうです。またキッチン、家事室からも直接行き来できるため、洗濯の合間に洗い物をしたりなど短い動線内で家事を行うことができますよ。
家族が集うリビング&和室
リビングは、家族みんなの団欒スペースとして家の中心に配置。隣接した和室・ライブラリーが一段上がっている分、囲まれている感覚を味わえる、落ち着いた空間になっています。
リビング横の和室には、圧迫感を感じさせないよう低めの障子窓とテーブルが。また、季節の飾り物や思い出の品を飾れるように、床の間が設けられており、家族にとっても大切な場所と言えそうです。
開放的なダイニング&中庭で家族団欒を楽しんで
外とのつながりを作りより広く開放的な空間に見せるため、ダイニング横には窓とウッドデッキを配置。ウッドデッキを建物で囲んで中庭のようにすることで、両隣からの視線を遮る役目も。
ライトアップすれば一気に幻想的な雰囲気に。過ごしやすい夜には、ウッドデッキで外の空気を吸いながら食事や晩酌なんてのも良さそうですね。