【DESIGNART TOKYO 2022】石巻工房と様々なクリエイターによる新作家具を発表

今年で6回目となる、日本最大級のデザイン&アートフェスティバル「DESIGNARTTOKYO(デザイナート トーキョー)」が10月21日~10月30日の約1週間、今年も東京を舞台に都内各所にて開催されます。今回は「TOGETHER〜融合する好奇心〜」をテーマに、世界中からアート、デザイン、ファッションなど多彩なジャンルをリードする才能が集結します。インテリアの分野で注目したいのが、石巻工房による「2days at Ishinomaki Laboratory」。東京・赤坂の旧料亭をリノベーションし、あらたに生まれ変わった「KAISU」を会場に、挑戦的なデザインや、 新しい取り組みによる家具作品が集結します。

石巻工房とは

石巻工房は、2011年の東日本大震災の直後、建築家・芦沢啓二を中心に宮城県石巻市沿岸部の商店街で誕生した、市民向け工房を原点とする家具メーカーです。東京のデザイナーを中心とした有志が復興のために補修道具や木材を提供し、復旧・復興のために自由に使える「地域のものづくりの場」としてスタートしました。製品の多くは地元の人たちとのワークショップを通して生まれ、被災を背景に生じた材料と技術の制約が、シンプルで機能的なデザインを生みだしています。

一連の取り組みが評価され、2012年には「グッドデザイン賞」を受賞。現在では、復興のためだけでなく、デザインの力でDIYの可能性を広げる「DIYメーカー」として、また、地元の人々が自立運営する小さな産業として成長しています。

7人のクリエイターとの協働で生まれた新作家具の展示

今年で発足より11年となる今回は原点に立ち帰り、7人の建築家、デザイナーと共に、石巻にて職人とワークショップを行い、「石巻ホームベース」をテーマに家具をデザイン。その成果である家具と、プロトタイプによる展示を開催します。

藤城成貴による4枚の板で構成されたサイドテーブル。脚には石巻工房のプロダクトに多用される無垢材を採用。天板とベースは木の反りによる揺れの心配をなくすため、リノリウムが貼られた合板を使用しています。

ノーム・アーキテクツによる北欧のシンプルなデザインと日本の伝統工芸のバランスをとったベンチ。木とペーパーコードをバランスよく組み合わせることで、両国のデザインカルチャーに見られる温かみの色合いと自然なニュアンスを表現しています。

イトウケンジによるローベンチ(写真手前)は、2×4と2×6をH型に組み合わせ、その強度をさらに上げるための4つの材料を脚としています。直前カットとビス止めという石巻工房が扱う2×材のボリュームを抑えるのではなく、強調するような形にされています。

他にも、トラフ建築設計事務所や寺田尚樹など、様々なクリエイターとの作品が展示されており、細部まで鑑賞することができます。

会場は、築50年以上の料亭をカフェバー併設のホステルにリノベーションした「KAISU」。

既存建物の木造の良さを残しながら、創り込みすぎず暖かみのある空間です。1階のカフェバー部分では、宿泊ゲストだけでなく地域の方々も気軽に立ち寄ることができるため、アート巡りの合間のひと休憩に訪れるのもおすすめのコンテンツです。

【DESIGNART TOKYO 2022】
会期:2021年10月21日(金)~ 10月30日(日)
会場 : 〒107-0052 東京都港区赤坂6-13-5(KAISU)
WEB:https://designart.jp/designarttokyo2022/