ロンドンの街の一角にある、躍動感を感じる近未来空間の「ザハ・ハディド・デザイン・ギャラリー」
イギリス、ロンドンに、近未来で流線型の芸術作品が展示されているギャラリーがある。
リチャード・ロジャースや、ノーマン・フォスターなど、世界の建築界をリードする数多くの著名な建築家を世に輩出しているAAスクール。その有名建築学校出身であるイギリスを拠点に活動した建築家ザハ・ハディド。彼女は、現代建築における脱構築主義を代表する建築家の一人で、コンテストに優勝しても、デザインが奇抜すぎて建築されなかったことも多いほどだ。日本国内でも活躍しており、新国立競技場のデザイン案も彼女のものが選ばれた。
そんな彼女の建築や家具、アクセサリーなどのデザインを楽しめるのが、イギリス・ロンドンにある「ザハ・ハディド・デザイン・ギャラリー」だ。
曲線の女王と呼ばれた流線型のデザイン
ロンドンの北側、バービカン駅からゴズウェルロードを北に行くと、角地の一角にガラス張りの建物がある。ビビットカラーで名前が表記されており、これが彼女のギャラリーである。
エントランスを入り正面には、「曲線の女王」と呼ばれていた彼女の特徴的である流線型の滑らかなデザインの食器や花瓶、アクセサリーが、スタイリッシュに並んでいる。スタンドの高さが左右上下と異なっているため、その空間からは躍動感が溢れている。一つ一つのオブジェクトの色合いやデザインが上品で美しい。
こちらは、純潔で透明性を感じるアクリルテーブル。光を乱反射している姿がまるで水面のようで、キラキラと輝かしい様子に映っており、このテーブルによって、より魅力的で洗練された空間へと繋がっている。
斬新で近未来を彷彿とさせるインパクトのある、壁掛けのシェルフだ。鋭さがあるため、どこか緊張感を感じ、この空間だけ引き締まっているように感じる。
ツヤ感のあるビビットカラーで独特さが溢れるインパクトのある家具。対照的に奥の作品は、真逆でシックなカラーのため落ち着きを感じる。コントラストを使うことにより、遊び心のあるような空間だ。
ソファとは、想像もできないデザイン。立体感があり、波のようになだらかでありながらも、勢いを感じる。彼女が作り上げるオブジェクトは、どこを切り取っても見事に曲線だらけの不思議なスペースである。
曲線の女王は、建物だけでなくファッションにも。
地下に展示されていたザハ・ハディドデザインの靴。建物や家具だけでなく、ファッションやアクセサリーも曲線を特徴としたデザインである。シルバーカラーでスマートさがある。ファッションの分野ではあるが、非常に空間的な要素が入っている。
ザハ・ハディドデザインの模型や試作品の展示も。
そして地下には、ザハ・ハディドのデザインのプロセスを垣間見ることができる模型や試作品が展示されていた。一つ一つが細かく、デザイン・設計されており、十分に見応えを感じる。彼女のこだわりを味わうことのできるものばかりで、どれも魅力的だ。
ザハ・ハディドのデザインらしく3Dプリンタで作られた模型もあった。
スケールの大きな建築の模型などもあり、これらはとてもインパクトがある。細部までこだわりぬいていることがよく分かる。
さすが、「曲線の女王」と呼ばれていただけあり、彼女の作る建築やデザインは、躍動感溢れる作品ばかりである。また、そのデザインからは、映画「スターウォーズ」で描かれたようなSF空間をも感じとることができ、一度見たら、強くインパクトに残るものだらけだ。ミラノで開催される世界最大規模の家具見本市「ミラノサローネ」などでも、ザハ・ハディドの家具を見ることはできるが、これほど多くのザハデザインの家具を見れるところは、ここ「ザハ・ハディド・デザイン・ギャラリー」だけであろう。
ZAHA HADID DESIGN GALLERY – ザハ・ハディド・デザイン・ギャラリー
開館時間:14:00~18:00
休館日:日・月曜日
電話:+44 20 7253 5147
URL : http://zaha-hadid-design.com/gallery
住所:101 Goswell Rd, London EC1V 7EZ UK