サウナとアートで”ととのう”。「チームラボリコネクト」東京・六本木に2021年3月に半年間限定でオープン!
アート集団チームラボは、サウナとアートをセットで体験する全く新しい展覧会「チームラボリコネクト:アートとサウナ 六本木」を、東京・六本木に、2021年3月から8月まで半年間限定でオープンする。チームラボは、2019年より、淋汗茶の湯など日本のサウナの歴史的背景も紐解きながら、サウナとアートによる新しい体験を模索。「チームラボリコネクト」は、サウナエリア・冷水エリア・アート浴(アート空間で休憩)エリアがひとつながりの空間で、連続した体験を創ることによって、《ととのい、アートと一体化し、リコネクトする》、世界に類を見ない全く新しい展覧会だ。
チームラボが提案する「サウナで”ととのい”、アートと一体化する体験」
チームラボリコネクトは、高級な場所でアートを見るのではなく、サウナによって”ととのう”ことで、来場者自身が最高級な状態になってアートを体験する、新しい形の展覧会。温冷交代浴によって脳を開き、どこまでも広がっていく身体感覚でアートと一体となることで、心と身体と環境が自分という存在の全体性であることに気付き、世界と時間に再びつながること(リコネクト)を目指す。
”ととのう”とは、温冷交代浴(サウナ・冷水・休憩を繰り返すこと)によってもたらされる、脳科学的にも非常に特殊な状態。”ととのう”ことによって感覚が鋭くなり、頭はすっきりし、美しいものは、よりいっそう美しく感じられ、普段の感覚では気がつかない体験を得ることがでる。
チームラボリコネクトでは、チームラボの新たなアートプロジェクト「Supernature Phenomenon」をテーマにした新しい作品群を含む、複数の作品が公開される。「Supernature Phenomenon」とは、自然界の法則を超えた現象を意味する「超自然現象」と、それによる認知そのものの変化をテーマにしたプロジェクトだ。万有引力に逆らうなどの超自然現象をただただ眺める過程で、人々の認知そのものが変化し、その認知の変化が人々を「日常とは違った状態」へと導く。
チームラボは、2019年に九州の御船山楽園にサウナ(サウナシュラン2019・2020で二年連続グランプリ)が出来て以来、日本の歴史を紐解きながら、展覧会「チームラボ かみさまがすまう森」や「チームラボ 廃墟と遺跡:淋汗茶の湯」など、サウナとアートの新しい体験を提案してきた。来場者がサウナに入り、ととのい、アートを体験し、さらなる深みへと入っていくチームラボリコネクト。会場は2021年3月のオープンに向けて準備中だ。
空中浮揚 / Levitation
球体は、質量の概念を超越し、地面でも天井でもない、空中の中ほどに静止したり、空中を上がったり下がったりを繰り返す。球体は、人々が叩くなど衝撃があると、地面に落ち、転がっていく。しかし、何も邪魔がなければ、自らの状態を修復するかのよう、再びゆっくりと空中に上がっていく。
生命とは何か。例えば、ウイルスは、生物学上の生命の最小単位である細胞を持たないことや、自己増殖することがないことから、生物と無生物の境界領域に存在するものと考えられている。生物と無生物を分かつものが何であるかは、生物学上、未だに定義ができない。
一方、あなたが明日もあなたであり続けているのは、形あるものが崩れていく「エントロピー増大の法則」に反している。つまり、エントロピー(無秩序の度合いを表す物理量)が極大化に向かうとされている宇宙の中で、生命とはその方向に反している存在なのだ。生命は、古典的な物理の法則に反する、超自然現象である。
1977年にノーベル化学賞を受賞した化学者・物理学者のイリヤ・プリゴジンは、自然界には外部からエネルギーを取り入れて、内部でエントロピーを生産し、そのエントロピーを外に排出することによってのみ形成され、非平衡状態の中で維持されるある種の秩序・構造が存在する事を発見した。エネルギー(および物質)を外部に散逸させてエントロピーを外部に捨てることによって内部のエントロピーを減少させて秩序を作り出す。生命体は外部から食物としてエネルギーを取り込み、排泄物としてエントロピーを外部に捨て、エントロピーを維持しているとも言える。
生命とは、外部の環境と連続的である、エネルギーの秩序であるかもしれないのだ。
そして、生命の存在そのものが、物理の法則に反する超自然現象であるがゆえに、作品空間に、エネルギーの秩序をつくると、まるで物理の法則に反する超自然現象かのように万有引力に逆らい、球体はゆっくりと浮き上がり、空間の中腹に留まったり空中を上下したりする。
目前で起こっている(自然界の法則を超えた現象という意味の)超自然現象をただ観る時、認知そのものが変化していく。そして、その認知の変化があなたを「日常とは違った状態」へと導くだろう。
作品による認知の変化を模索する。
増殖する無量の生命 – A Whole Year per Year / Proliferating Immense Life – A Whole Year per Year
現実世界と同じ時間の流れの中で、1年を通して、咲いていく花々が移り変わっていく。花々は誕生と死を繰り返しながら、増殖していく。増殖しすぎると、一斉に散って死んでいく。
また、人々が花々に近づくと、花々は散って死んでいく。
作品は、コンピュータプログラムによってリアルタイムで描かれ続けている。あらかじめ記録された映像を再生しているわけではない。全体として以前の状態が複製されることなく、人々のふるまいの影響を受けながら、永遠に変化し続ける。今この瞬間の絵は二度と見ることができない。
【アートとサウナの日本における歴史的背景:淋汗茶の湯】
室町時代(1336-1573)中期、風呂上がりの客人に茶をふるまう茶の湯を「淋汗茶の湯」と呼び、書院茶などと同じように、風呂場にも絵や香炉、花入、掛軸などを飾り、風呂上りに闘茶を行い、多くの見物人が現れたという。
「淋汗茶の湯」はいわゆる婆娑羅(ばさら)趣味として、奈良の興福寺を中心に国内で広く行われていた。
当時の風呂とは蒸し風呂のこと、つまり現在のロウリュウサウナ(熱したサウナストーンに水をかけるサウナ)のようなもの。日本では古くから、サウナに入りアートを見て、茶を飲む行為を文化的な遊びとして楽しんでいたという。
婆娑羅とは、日本の中世、主に室町時代初期(南北朝時代)の社会風潮や文化的流行をあらわす言葉。身分秩序を無視して実力主義的であり、貴族といった名ばかりの時の権威を軽んじて嘲笑・反撥し、奢侈で派手な振る舞いや粋で華美な服装を好む美意識でもあり、後の戦国時代における下克上の風潮の萌芽ともなった文化である。
千利休(1522~1591)の師の師、侘び茶の祖・村田珠光(1422~1502)も若かりし頃、「淋汗茶の湯」に夢中になっていたとも言われている。そして、後に大徳寺の一休宗純(一休さん!)に学び「茶禅一味(茶道と禅とは一体である)」の境地に達し,佗び茶を創始したのだ。
チームラボによるサウナ体験で「ととのう」
サウナとアートをセットで体験できる「チームラボリコネクト:アートとサウナ 六本木」は、来月2021年3月から。六本木でサウナで”ととのう”、超自然現象的アートと一体化し、世界と時間に再びつながろう。
【開催概要】
チームラボリコネクト:アートとサウナ 六本木
URL : http://reconnect.teamlab.art
会場:チームラボリコネクト(東京都港区六本木5丁目10-25)
会期:2021年3月 – 8月
主催:チームラボリコネクト実行委員会
* 新型コロナウイルス感染症対策、開館時間、チケット情報などは後日発表。