家を建てることで土地や街を愛するようになる。建築家・島田陽が考えるデザイン論とは!?

前編:コロナ禍によって”縁側”が再び求められるように。建築家・島田陽インタビュー。

建築家によってデザインの考え方や発想は千差万別。本来の土地を置いてけぼりにしてもいけないし、先進的なデザインに120度ガラッと変えたとしても、愛されない可能性もある。そんな中、建築家の島田陽氏は、建築設計は”敷地を愛する方法を見つけること”だと語る。人に愛されるようなデザインや発想はどう生まれるのか、そしてデザインを考える上で重視している点は何かを伺った。

デザインは閃きより育てるもの

学生時代、芸術大学に通っていたという島田さん。その経験が今のデザインに反映されているそうで「周りにアーティストの友人がたくさんいたので、モノとモノとの関係の作り方、自由な発想とか自由な生き方に影響を受けているんじゃないか」と話す。

島田さんのデザインといえば、建物内に2段の螺旋階段を施し、11段が部屋のようになっているものや、2階の方が1階より大きい家など、デザイン性に溢れたものがたくさん存在している。そんな自由な発想が印象的な島田さんは、デザインに行き詰まることはあるのだろうか。

「もちろん進まなくなる時もあるけれど、急に閃くというよりは育てていく感じ。街を歩いていても映画観ていてもアート鑑賞していても…あるいは誰かのレクチャーを聞いてる時に書いた落書きとかからでも、アイデアが生まれたりする」と語った。

建築設計は”敷地を愛する方法を見つけること”

建築家によっては影と光を多用したり、デザインに共通性を持たせたりする人も多い。その中で島田さんのデザインは多様性に富んでおり、振り幅が広いのが特徴だ。やはり島田さんも意識をしており、なるべく同じデザインを繰り返さないようにしているとのこと。「敷地とクライアント、そして僕と担当するスタッフみんなで作っていく感じ。毎回その場所だけの、一品製作にこだわっている」と話す。

そしてその点こそが、住宅設計の良いところでもある。「家を買う際は⾼額な⾦額を払ってオーダーメイドで作るが、その人の人生にあわせてつくる一品製作のものは他にはないと思う。建てた家に20、50、そして100年も住んでくれる、こんなに贅沢で面白いものはないと思っているからこそ、同じものを作るのではなく、その人のためだけに作りたい」と言う。

島田さんが1番重視しているのは、家が建つことによって、街が少しでもよくなるという点。建築設計は究極的には”敷地を愛する方法を見つけること”だと考えているそうで、「家が建つことによって内も外も環境を作り出していく。敷地を超えて、その街や地域を愛せる建ち方を見つけられたら」と語る。

展覧会を通じて若い世代へ

 

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2020年春には、安藤忠雄氏が設計して1994年に完成した大阪の「日本橋の家」において、建築展「:REORGANIZATION」を開催。日本橋の家を「とにかく素晴らしい住宅」と語る島田さんは、事務所にたくさんある模型や素材などを見てもらうことが生々しくていいのではと考え、安藤氏の建築に介入するようにインスタレーションを行ったという。

結果的に900人ほどが見学に訪れたそうで、学生からの反響も多かったそう。関西ではそういった大きな建築展は開催されないため、この機会に影響を与えられたことに達成感を感じたそうだ。

「こういった展覧会は仕事には繋がりづらいが、少しでも僕らみたいな仕事を学生や多くの方に知ってもらえれば良いと思う。僕らもその影響を受けてきたので、今度は僕らが与えていく。そうやって続いていくものだと思っている」と将来にも目を向けた。

島田陽の「LIFE IS 〇〇」

最後に「LIFE IS 〇〇」を尋ねると、「発見の連続」と回答。「日々、昨日とは違うように物事を捉えられると良い」と答えた。