レム・コールハースやスティーブン・ホールなど巨匠建築家による集合住宅「ネクサスワールド」

磯崎新氏がコーディネーターとして6人の建築家の作品が香椎に集まっている。レム・コールハースが設計したレム棟・コールハース棟は、1992年度日本建築学会賞を受賞した。

日本建築学会賞を受賞したレム棟・コールハース棟

レム・コールハースのレム棟・コールハース棟は1992年に日本建築学会賞を受賞した。地上レベルには商業店舗が入居していて2階以上に居住スペースがある。

ガラス張りの1階は非常にオープンで2階には岩のような意匠のパネルが使われていて、視線が遮られプライベートが保たれる。採光は各住戸のトップライトやハイサイドライトから取られている。

レム・コールハース Via: Wikipedia

レム・コールハースは建築において、建築の素材を生かすこと、ヒューマンスケールの維持、注意深く練られた建築意図など規範を守ろうとしている一方、人間のサイズをはるかに超えたスケールの建築、雑然とした設計意図の建物の乱立など、急速にグローバル化する資本主義社会の流れに身を任せようという規範も持ちあわあせており、この正反対の規範による矛盾を受け入れようとする姿勢を、彼は一貫している。

モダンで存在感があるスティーブン・ホール棟

レム・コールハース作品の隣にあるスティーブン・ホール棟は、モダンな住戸の塊が連なりリズム感がある。

1回は空洞が貫いていて、露出した階段がさらされています。住居というよりも、鉄道や高速道路の高架橋のような出で立ちだ。

アメリカを代表する建築家スティーブン・ホールの設計の源は毎朝描かれる水彩画で、水彩画のイメージを基にし、3Dモデリングツールによってスタディされ、模型が制作され、またスケッチに戻る。原初的なアプローチと最先端デジタルツールの双方を駆使し、検討を繰り返すというプロセスからホール独自の建築が生み出されてきた。

2020年1月18日(土)まで、寺田倉庫が運営する建築倉庫ミュージアムにて、企画展「Steven Holl:Making Architecture」が開催される。ニューヨーク、ソウル、北京、南京、上海に続く日本巡回展である。会期中の2019年11月12日(火)には、明治大学アカデミーホールにて、スティーブン・ホール特別来日講演会も開催された。

 

その他の石山修武棟、マーク・マック棟、オスカー・トゥスケ棟、クリスチャン・ド・ポルザンパルク棟も個性的で前衛的なデザインで魅力的である。

建築家6人がそれぞれ設計した集合住宅が建ち並ぶ、いわばデザイナーズマンション団地。ネクサスワールドでは各棟に建築家の名前が付けられており、建築家の存在を積極的にアピールして販売した点で、デザイナーズマンションの先駆けとなったプロジェクトである。個性的な物件であるが故に住みこなしが難しいとか。

ネクサスワールド

住所 : 福岡県福岡市東区香椎浜4丁目