なぜ「casa piatto(カーサ・ピアット)」のような平屋がミレニアル世代に人気なのだろうか。

ここ数年、静かな平屋がブームである。熱狂的に流行るということはないものの、20代30代の若い世代やミレニアル世代と言われる人たちは家を建てるなら「平屋」と考えている人が多くなっている。実際にマイホームを欲しいという人でなくても、「もし家を建てるとしたら?」との質問に「平屋」と答える人が増えている。

平屋と言うと、日本は古来から平屋が多く、都市部での宅地面積の狭小化にともない、2階建て3階建てと上へ上へと伸びてきた。ここへ来ての平屋ブームは昔の日本への原点回帰のようにも思える。では、なぜ平屋が昔の日本にノスタルジーを感じないミレニアル世代に人気なのだろうか。

過剰にモノを持たないミニマルな暮らし

20代30代の若い世代やミレニアル世代言われる人たちは、過剰にモノを持たない。高級車を所有することもなければ、ブランド品をいっぱい買うこともない。

家電はどんどんコンパクトになり、色々なモノをシェアサービスでまかなえる。今や書籍もタブレットやスマートフォンで読めるので、大きな本棚もいらない。

一部のミニマリストと言われる人ほどではないが、モノを所有するよりもシェアすることと、より旅行や趣味などの「体験」に重要性を見出し、ミニマルな暮らしを好んでいる。

ワンフロアでシンプルな動線

そんなミニマルライフを好む世代にとって平屋は非常に魅力的に映る。平屋住宅は、ワンフロアでシンプルな動線のため無駄がなくシンプル。マンションやアパートなどで育った人も多いので、自然に住みこなすことができるし、家事も効率良くこなせる。一人っ子の世帯も多く、コンパクトな住まいは丁度良いのだ。家のどこにいても家族の気配を感じられる平屋は、「つながり」を重視する若い世代が選択するベストな住宅なのかも知れない。

スタイリッシュな暮らし方を実現

上の世代から見ると、平屋は和風で懐かしさを感じる存在だが、現代の平屋は非常にスタイリッシュ。例えば、「casa piatto(カーサ・ピアット)」のようにシンプルなデザインの住宅であれば、カフェや美術館のように開放的でモダンな暮らし方を実現できるだろう。家具も含めて持ち物を吟味して購買するこだわりの強い若い世代だからこそ、コーディネートしやすい平屋のシンプルさは重要だ。

 

20代30代の若い世代やミレニアル世代と言われる人たちは、モノを持たなくなった代わりにライフスタイルの本質的な部分を知っている。その家づくりの答えが「平屋」には隠れているし、「casa piatto(カーサ・ピアット)」のようなシンプルなデザインの家が求められていると言える。