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仮住まいのデザイン。テント屋根の集合キャビン「Forest House」

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建築には永続性が必要。このだれもが疑う余地のない考えに、「Forest House」は少しばかり反旗を翻しているように見えます。北カリフォルニアのメンドシーノ郡の深い森の中、高床式の不規則な黒い複合体がそびえ立っています。シリコンバレーをはじめとしたベイエリアの目まぐるしい動きを、仮住まいの雰囲気をまとったテント屋根のキャビンが、じっと静かに見つめているようです。

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Forest Houseは、バークレーに拠点を置く建築事務所 Envelope A+Dと、その代表者ダグラス・バーナム (Douglas Burnham) によって、サンフランシスコの起業家の週末のリトリートのために設計・建設されたもの。アメリカ建築家協会の2017年デザイン賞を受賞しています。

クライアントがバーナムを森の敷地に案内した際、キャンバステントを張って1〜2ヵ月間キャンプしながら、土地にふさわしい建築物を構想してはどうか、というアイデアを話しました。バーナムはそのアイデアを気に入りましたが、100kgを超える野生の豚たちが辺りをうろついている状況から、キャンプは危険だと判断。しかしこのことがきっかけとなって、テント屋​​根の木造キャビンという考えと、豚が根付かないように、支柱によって高床式にする構造を思いつきます。

依頼された住宅は、家族や友人、同僚たちといった、親密な関係を持つコミュニティが集まる場所として設定されていたので、バーナムは、森と家を通じて人々の遊び心と友好を育むことを目指しました。こうしてForest Houseは、「いっそ森自体を家にしたら?」というコンセプトから生まれたのです。

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このスカンジナビア様式の住宅建築物は、3つの寝室スペースとリビング・ダイニングエリアからなる、キャンバス地のテント屋​​根の木造キャビンの集合体です。ベッドルームとバスルームは広々としたプライベートデッキを挟んで、分離されて独立した構造になっていて、それぞれのキャビンは木製の通路で繋がっています。

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テント屋根とガラスの壁は、雨風の音や季節感を室内に敏感に引き込むことで、自然環境との繋がりを体感させます。鏡のような大きなガラスは、隣接する部屋を含む景観を反射や借景して、森とモダンリビングの調和を印象づけます。

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ガラス製の壁には、NanaWall社の木製フレームの折りたたみ式ガラスウォールが採用されています。ガラスパネルは折りたたむことでスムーズにコーナーに重なり、部屋を完全に外側に開放します。閉じた際にも豊富な自然光を受け入れ、パノラマのような景色を提供しながら、インドアとアウトドアの世界を一つに統合します。

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ピンクカラーを取り入れた子ども用のドミトリー型のベッドスペースは、グランピング施設のようなデザインです。

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キャビンのキャンバス地の屋根は、ナイロンロープで格子型に固定され、仮置きのような一過性の佇まいで、建築物を素のままにプレゼンテーションしています。

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それぞれのワンルームキャビンは、土地の形態に従って狭くなったり広がったりする、不規則な木製の通路によって結ばれています。通路の屋外照明は巧みにカモフラージュされ、自然の趣きを壊すことなく、森全体が家となるようにデザインされています。

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森の奥にこつ然と現れる屋外シャワールーム。銅製のノズルは木の幹の色と調和しています。

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複数のキャビンはマットブラックに塗装され、温かみのあるインテリアの合板と鮮やかなコントラストをつくります。あえて不定形で非対称な入り組んだ構造に設計され、住まいの安らぎ以上に、探検心をくすぐる「遊び」がテーマとなっています。

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室内に配置された最小限の家具は、バーナムとEnvelope A+Dのチームによるカスタムデザインによるもの。非常にクオリティーの高い素晴らしいデザインです。

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バーナムはこう語ります。「建築には永続性という執着があり、究極の美徳であると考えられています。しかし、あなたがつくる建築は永遠に生き残る必要はありません。時には想像もしなかった理由から、壊されることが少なくないのが現実です。ポイントは現時点で最善のものを設計し、できるだけ環境への爪痕を残さないことです。何が起こってもOKなようにね」

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