視点を変えると面白い!女性建築家ザハ・ハディド設計の宇宙戦のような2つの建築物

高低差を利用して壁で空間を仕切らず、立体的に空間(部屋)を分ける間取りの家「casa skip」。

「casa skip」のように視点をかえると、とても同じ建物にいるとは思えないほど広々とした空間に感じたり、同じ空間にいながら見え方の異なるユニークな造りの建築物がある。女性建築家「ザハ・ハディド」の設計した建築物もその一つ。

そんな視点を変えると面白い「ザハ・ハディド」の2つの建築物をご紹介したい。

宇宙船のようなザハ・ハディド設計の「ウィーン経済・経営大学」図書館と学習センター。

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現代建築における脱構築主義を代表する建築家の一人で、その奇抜すぎるデザインは国際的なコンペで優勝するものの実際に建てられることがないことも多く、アンビルト(実現しない建築)の女王の異名を持っている。

新国立競技場のニュースで、一般の人でも知ることになったザハ・ハディドが今年の3月31日に亡くなったことは記憶に新しい。

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ザハ・ハディド設計の「ウィーン経済・経営大学」の図書館と学習センターは、ザハ・ハディドの建築らしく水平垂直のラインがほとんどないファサードを持つ。

まるでCGで描いた宇宙船がそのまま建築になって実現したかのような斬新なデザイン。外観だけでもすでに驚異的だが、更に興味深いのは曲線で構成される複雑な空間。そこはでまるでSF映画に出てくる基地のよう。

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大学の諸室が入っているヴォリューム周囲の通路を歩くと、まっすぐな壁が全くなく異空間にいつような錯覚をさえも起こす。照明は動線に沿って配置されていて美しい曲線のラインを描いている。

宇宙船のような未来感もあり、ところどころにある小さな室内は安心感を感じらる。大学なので一般には通路やホワイエなどオープンな場所以外は見られないが、とても見応えがある内部空間になっている。

奇抜なデザインと、心地よい空間が交差する「香港理工大学・ジョッキー・クラブ・イノベーション・タワー」

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そして、もう一つの彼女の代表作は「香港理工大学・ジョッキー・クラブ・イノベーション・タワー」日本から最も気軽に見に行けるザハ建築だ。

グリッド状に配置されたキャンパスを抜けて行くと目に飛び込んでくる奇抜な建築が「香港理工大学のジョッキー・クラブ・イノベーション・タワー」だ。

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雲に解けて行くような真っ白な建築は、その外形もファサードも不思議な感じがする。建築全体がうねるようなエントランスが印象的で、どこにも同じ場所がない多様性を持った内部空間が広がる。

エスカレーターで2階へ昇り、4層吹き抜けの空間から上を見ると、さまざまなラインが見えて来る。壁側に設置された緩やかなトップライトが、開口部がある吹き抜けの空間に心地よさを感じさせる。

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ニューヨークにあるフランク・ロイド・ライト設計のグッゲンハイム美術館と雰囲気がどこか似ているこの建物は、らせん状に階段が配置され真ん中が吹き抜けになっているだけのグッゲンハイム美術館よりもずっと複雑な造りになっている。

曲線がところどころに施されながら、多様性が感じられる「ザハ・ハディド」らしいユニークな建築。目線をどこに持って行っても飽きない空間設計はとても興味深かった。ぜひ機会があれば彼女の作品をみてみてほしい。