建築家・隈研吾が手がけた、愛媛県西条市の名水が織りなす食の別邸「青山緑水」がオープン!
水の都として知られる愛媛県西条市に、新たな食と滞在の拠点が誕生しました。建築家・隈研吾が手がけた「青山緑水」は、地域が誇る名水を軸に据えた“食の別邸”として構想された施設です。豊かな自然環境と清らかな水資源を背景に、建築・食・体験が一体となった空間が広がります。訪れる人々にとって、単なる食事や宿泊を超えた、土地の魅力を五感で味わう場となっています。
名水とともにある建築。自然に溶け込む設計思想

西条市は、地下水が自噴する「うちぬき」と呼ばれる名水で知られています。「青山緑水」は、この水の存在を単なる背景ではなく、建築の中心的な要素として取り込んでいます。敷地内には水の流れを感じられる仕掛けが随所に施され、訪れる人は空間の中で常に水の気配を感じることができます。

建築は、周囲の自然と調和するよう低層で構成され、過度な主張を避けながらも、細部にまで計算されたデザインが施されています。

木材や石といった自然素材が多用されており、時間とともに風景に溶け込んでいくような佇まいが印象的です。

外部と内部の境界は緩やかに設計されており、視線や風、水の流れが連続することで、空間に奥行きと広がりを生み出しています。また、隈研吾の建築に見られる特徴的なディテールも随所に見られます。繊細な部材の重なりや、光を柔らかく取り込む設計により、空間全体が軽やかで開放的な印象を与えます。

自然と対峙するのではなく、あくまで寄り添うような姿勢が、この建築の大きな魅力となっています。
水が引き出す食の魅力。地域資源を活かした料理体験

「青山緑水」のもう一つの核となるのが、“水”をテーマにした食の体験です。西条市の名水は、古くから酒造りや農業を支えてきました。その清らかな水を活かし、食材の持つ本来の味わいを最大限に引き出す料理が提供されます。

料理には、地元で採れる新鮮な食材がふんだんに使用されており、季節ごとの変化を感じられる構成となっています。水そのものの味わいが繊細であるからこそ、調理においても過度な加工を避け、素材の持ち味を引き立てるアプローチが採られています。シンプルでありながら奥行きのある味わいは、この土地ならではの体験といえるでしょう。

また、空間と食の関係性にも配慮がなされており、食事をする場所からは水や緑を感じることができます。視覚的な美しさと味覚が重なり合うことで、食の体験はより豊かなものとなります。単に料理を味わうのではなく、環境とともに食を楽しむという新しい価値観が提示されています。
滞在そのものをデザインする「食の別邸」という考え方

「青山緑水」は、レストラン機能だけでなく、滞在型の施設としても計画されています。ここでの時間は、日常から少し距離を置き、自身の感覚を取り戻すためのものです。客室や共用空間は、静けさと落ち着きを重視した設計となっており、訪れる人はゆったりとした時間の流れを感じることができます。

特に印象的なのは、空間全体が一つの物語のように構成されている点です。到着から滞在、食事、そして帰路に至るまで、一連の体験が連続的に設計されており、それぞれが独立しながらも相互に関係し合っています。このような構成により、訪れる人は単なる“利用者”ではなく、空間の一部としてその時間を過ごすことになります。
また、都市部の喧騒から離れた立地であることも、この施設の価値を高めています。自然の中で過ごす時間は、日常では得難い感覚をもたらし、心身のリセットにつながります。こうした体験を提供することこそが、「食の別邸」というコンセプトの本質といえるでしょう。
自然とともにある豊かな時間を愉しむ「青山緑水」
隈研吾が手がけた「青山緑水」は、水という地域資源を起点に、建築・食・滞在を一体的にデザインした施設です。西条市の名水がもたらす豊かさを、さまざまな角度から体験できるこの場所は、新たな観光のあり方を提示しています。
これからの時代に求められるのは、その土地ならではの価値をどのように編集し、体験として提供できるかという視点です。「青山緑水」は、その一つの答えとして、訪れる人に深い印象を残す空間となっています。自然とともにある豊かな時間を求めて、足を運んでみてはいかがでしょうか。
別邸 青山緑水
URL:https://itomachihotel-0.com/seizanryokusui/
住所:〒793-0027 愛媛県西条市朔日市250-7