
建築家の設計で叶えられた、23坪とは思えないのびやかな住まい「包容の平屋」
「平屋は贅沢すぎる」「スペースが足りない」と思い込んでいませんか? 静岡県の住宅街に建てられた「包容の平屋」は、延べ床面積わずか23坪ながら、3LDK・駐車場3台分・広々とした中庭・家事動線を意識した間取りと、暮らしに必要な要素をすべて兼ね備えた一邸です。限られた面積の中に、機能性と美しさを巧みにデザインしたのは、経験豊かな建築家。視線の抜け、空間のつながり、外と中の関係性を丁寧に設計し、のびやかな平屋暮らしを可能にしました。
国道沿いの角地を活かす、プライバシー設計と外観デザイン
物件が建てられたのは、国道沿いの角地。人や車の往来が多い立地でありながら、外壁に窓を設けないフラットな白一面の外観にすることで、街並みに溶け込みながらも高いプライバシー性を実現しています。真っ白な外観に植栽の緑が映え、シンプルでモダンな美しさが際立つデザインです。
道路に面した建物の前面には、ゆとりある駐車スペースを確保。車3台を無理なく停められる広さは、来客時にも便利です。
玄関ポーチは建物の内部に入り込むようなかたちで設計され、外部から室内が見えにくい設計に。周囲の視線を自然に遮りながら、住まいとしての落ち着きをもたらしています。
生活と来客をスマートに分ける玄関の工夫
玄関扉を開けると、奥まで続く土間が目に入ります。
視線をさえぎる壁の裏にはシューズクロークを設置し、玄関の見た目は常にすっきり。さらに、土間の奥には2方向への動線を設けています。
ひとつはファミリークローゼットと水回りへとつながる家族用動線。
もうひとつはLDKへと直接つながる来客用動線です。この2つの動線設計によって、家族は帰宅後に上着を掛けたり手を洗ったりしながら室内へ進むことができ、来客は生活感を見せずにそのままリビングへ案内することができます。コンパクトな住まいでありながら、プライベートとパブリックをしっかりと分ける設計は、建築家ならではの目線です。
「家事ラク」を叶える、ストレスフリーな水回り動線
家族用動線では、玄関からシューズクローク、ファミリークローゼット、そして水回りへとスムーズにつながる間取りを採用しています。
クローゼットを通り抜けると、約3畳の広々とした脱衣所兼ランドリールームが登場。
洗濯・乾燥・アイロンがけまで一貫して行える機能性を備え、カウンターでは作業もスムーズ。
さらにキッチンとも隣接しており、料理をしながら洗濯も並行できるため、日々の家事が驚くほど効率的になります。
収納スペースが限られがちな平屋において、通路や動線を活用して必要な収納を確保しているのもこの住まいの特徴です。
日用品や家族の衣類などを集約できるため、LDKには生活感を持ち込まず、いつでもすっきりとした空間を保つことが可能です。
「自然との調和」を形にした、開放感ある平屋
限られた敷地と面積の中でも、「平屋らしいゆとり」を存分に感じさせる「包容の平屋」。建築家の設計力によって、空間は無駄なく、しかし快適に構成されています。プライバシー性を保ちつつ、家族にも来客にも配慮された動線設計、ストレスを感じさせない家事動線。限られたリソースのなかでも建築家の視点によって心地よい暮らしを実現した、賢い平屋の住まいです。
後編:限られた面積でも叶う、ゆとりあるLDKと中庭のある平屋「包容の平屋」(9月20日 公開予定)