丹下健三の名建築「旧香川県立体育館」を保存・再生への署名の呼び掛けが始まっています!

前編:「船の体育館」と呼ばれる巨匠・丹下健三が手がけた旧香川県立体育館の今

香川県高松市にある丹下健三氏設計の「旧香川県立体育館」、通称「船の体育館」が解体の危機に瀕しています。この世界的にも評価の高いモダニズム建築の傑作を保存・再生するための署名活動が開始されました。

丹下健三の傑作、解体の危機に瀕す

提供「Change.org Japan」

1964年に高松市に建設された旧香川県立体育館は、日本の戦後モダニズム建築を代表する丹下健三氏の傑作として知られています。その特徴的な船のようなフォルムから「船の体育館」として市民に親しまれてきましたが、現在、香川県は2025年8月にも約11億円をかけて解体する方針を固めています。この署名活動は、香川県に対し、この文化的にも極めて価値の高い建築の解体計画を再考し、保存・再生の道を探ることを求めています。

世界が注目する保存への声

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旧香川県立体育館の保存を求める声は、国内にとどまらず世界中に広がっています。ハーバード大学大学院デザイン学部の教授陣が連名で保存を要請しているほか、ニューヨーク近代美術館(MoMA)の建築部門チーフキュレーターも現地視察を行い、保存を強く要望しています。

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また、イリノイ大学の教授からも「世界の建築遺産として守るべき」との正式な書簡が香川県に届くなど、国際的な建築コミュニティがこの建築の行く末を注視しています。

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丹下健三の現存する大規模建築がまた一つ失われることに、危機感が募っています。

民間主導による再生の提案

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「旧香川県立体育館再生委員会」は、香川県が解体の理由としてきた「老朽化」と「財政負担」に対し、具体的な再生案を提示しています。県が提示する解体費用11億円をかけず、最大60億円規模の耐震改修を含む事業費をすべて民間企業の出資で賄い、ブックラウンジ併設ホテルなどとして再生する案です。

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これにより、文化的建築の保存と地域経済の活性化を同時に実現し、持続可能な運営を目指すとしています。この署名は、「解体ありき」の決定に対し、市民の意思を明確に示すとともに、貴重な文化遺産を未来へとつなぐための重要な一歩となります。

危機に瀕する丹下健三建築:未来への継承を

香川県高松市の丹下健三設計「旧香川県立体育館」、通称「船の体育館」が解体の危機に直面しています。11億円をかけた解体計画に対し、国内外から保存を求める声が高まっています。民間による再生案も提出されており、ブックラウンジ併設ホテルなどとして再生し、文化的遺産を未来へ継承する道を探っています。この署名活動は、解体ありきの決定に再考を促し、貴重な建築を守るためのものです。

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