光と木のぬくもりが広がる、空に近いLDK空間「『常識』の外側へ」

前編:街角に佇む黒の美邸。都市の喧騒を包み込む、静と光の住まい「『常識』の外側へ」

山形県にある住宅街の交差点角地に建つ存在感のある住まい「『常識』の外側へ」。プライベート空間が広がる1階から階段を上がると、明るく開放的なLDK空間が広がります。建築家ならではの視点で設計された、日常の暮らしに豊かさをもたらす開放的なリビングやテラス空間など、住まう人の心を満たすディテールが随所にちりばめられています。

筋交いが生む抜けと広がり

階段を登りきった先には、板張り天井と木のフローリングがあたたかく迎えてくれます。

中心の壁にはあえて筋交いのみを残し、空間を仕切らずに視線と光を通す設計に。

開放感が最大限に引き出され、実際の面積よりもずっと広く感じられます。

リビングに広がる、昼と夜のふたつの表情

リビングスペースには、階段越しの窓と外部テラスに面した大きな開口部を設け、日中はたっぷりの自然光が降り注ぎます。

明るさの中にも木の質感が心地よさを添え、自然と呼吸が深くなるような心地よさに満ちた空間です。

夜には間接照明のやわらかな光が、家族の時間を穏やかに包み、昼と夜で異なる表情を見せてくれます。

機能と美しさが共存するシンプルな設え

家具はシンプルに、造作棚は低めに抑えられ、視線の抜けを妨げません。ソファや家具も全体に調和する落ち着いたトーンでまとめられ、すっきりとした空間が保たれています。

必要な機能を最小限のデザインに収めることで、空間全体の美しさが際立つ設計です。

ペニンシュラキッチンで会話がつながる

キッチンは対面式のペニンシュラ型を採用。

ダイニングやリビングと自然につながり、家族とコミュニケーションを取りながら料理ができる設えです。両側の開口部から、調理をしながらも外の風景を楽しむことができます。

採光と素材が調和するダイニングスペース

ダイニングエリアには高窓を設け、上部から光を採り込むことで、プライバシーを保ちつつ明るさを確保。

天井の板張りが壁面へと連続することで、他の空間との緩やかな区切りを生み出し、全体をあたたかく包み込むような設計になっています。

外とつながる第二のリビング、外部テラス

外部テラスは、まさに“第二のリビング”。

周囲の壁面が程よく視線を遮り、外にいながらも包まれるような安心感があります。

ここにはアウトドアソファが置かれ、読書や昼寝、友人とのおしゃべり、家族でのバーベキューなど、日常の延長に小さな非日常が加わるような、特別な場所に仕上がっています。

光と風と静けさが共存する“都市の隠れ家”

街中にありながらも、視線をコントロールし、騒音を遮り、光と風を自在に取り入れる——そんな住まい「『常識』の外側へ」は、日々の暮らしを“内”にこもるのではなく、丁寧に外とつなぐことを意識した設計によって、住まう人に豊かな暮らしを提案します。