不動産経営を始める前に大切なのはお金の話。運営資金の管理は大丈夫?

不動産運営は、投資用物件・マイホーム・店舗など、不動産の形態に関わらず大きな資金が必要になる。そして、不動産の運用資金は購入して全て終わりではない。

不動産ローンを利用して頭金を抑えたとしてもトータルでは数千万以上の多額の資金を必要とするためリスクヘッジをする意味でも慎重な資金計画は立たいところ。今回はそんな不動産フィナンシャルについて触れてみた。

「理想的な」ライフスタイルを送るにはいくら必要?

まず、不動産投資をする前に「理想のライフスタイル」には幾ら最低限必要かを大まかな数字でも良いので算出してみたい。「え、めんどくさい…」と思われる方もいるかもしれないが、住宅ローンの返済や、万が一空室リスクが起こった場合を考え、生活に無理のない金額を算出することはとても重要といえる。

不動産投資のメリットは、安定的な家賃収入(インカムゲイン)や、保有している物件を売却する事による売却益(キャピタルゲイン)と、株式やFXなど他の投資に比べ、日々のニュースやチャートを常に注視する事無く家賃収入が見込まれる点だ。不動産投資を始める前に、安定的な収入と安定的な生活を目指す為に生涯設計を考えたライフプラン表は作成したい。もちろん計算が苦手な方はフィナンシャルアドバイザーなどプロに相談するのも一つの方法だ。

将来の金利変動を見越した賢い住宅ローンの組み方とは?

次に、把握しておきたいのは住宅ローンの仕組みだ。ここでポイントになってくるのは先ほどのライフプラン表。このライフプラン表を元に、生活に無理のない住宅ローンの金額を知ることができる。子供の学費や将来の貯金、旅行や趣味といったものを含め、いくらまでの住宅ローンなら組んでも大丈夫かということが明確になる。さらに、住宅ローンを取り入れる際は「住宅ローン控除」などローンの仕組みと種類にも目を向けたい。

住宅ローン控除とは住宅ローンの残高に応じて所得税と住民税を減税や還付するというもの。例えば、年末に住宅ローンが4000万円残っているとしたら、その1%である40万円分、所得税や住民税が減額・還付される。毎月きちんと返済が可能で、支払う住宅ローンの利息が住宅ローンの控除額より下回る場合は、住宅ローンを大きく組むのはお得と言える。

また、金利が変動するリスクをとって少ない金利の変動金利を選ぶか、高い金利を払うかもしれないが返済額が変わらない固定金利を選ぶのも重要なポイント。

見落としに注意!3年ごとに変動する固定資産税とは?

さらに、見落としてはいけないのが「固定資産税」だ。固定資産税の評価額は、国土交通省が定める土地の公的価格や家屋の時価について、約70%の割合で付けられた金額を指す。土地の価格は市区町村によって異なり、3年に1度、評価額は見直される。

宅地の場合小規模住宅用地と一般住宅用地について軽減措置が設けられているものの、標準税率は基本的に1.4%と定められている。新築後の一定期間であれば減額対象になるが、都市計画税などは軽減対象にならない税金がかかることも。せっかく住宅ローンを上手に組んでも固定資産税を見落とすと大きな損失になり兼ねないため、こちらも必ず不動産資金として視野にいれておきたい。

 

未来に安定的に投資する不動産投資。その土台には明確なライフプランの設計が重要だ。不動産投資・運営・購入いずれの場合でも是非一度、始める前に不動産フィナンシャルに目を向けてもらいたい。