
インテリアスタイリスト・イマジネーターの長山智美さんが語る「心を満たす暮らしのデザイン」
雑誌のインテリアスタイリングをメインに、リノベーションホテル「SHIROIYA」など、著名なクライアントやプロジェクトを手掛けているインテリアスタイリストの長山智美さん。
今回は、インテリアスタイリストの長山智美さんに暮らしの中で大切にされていることや部屋をおしゃれにするコツなどについてお話を伺いました。
インテリアスタイリスト/イマジネーターの長山智美さん
長山智美さんは、雑誌やカタログの写真撮影のコーディネートやキュレーションを行うインテリアスタイリストです。長山さんの作品は、ショーケースやショップ、展示会などで定期的に紹介されています。
暮らしの中で大切にしているデザイン

はじめに、長山さんが暮らしの中で大切にしているデザインについて伺いました。
「そのデザインが自分にとって好きかどうか、自分にとって心地よいものであるかという点です。心地よいというのが、使い勝手がいいということではなく、デザインがあることで自分の心が満たされたり楽しくなったりするということを重視しています。」
例えばどのようなデザインでしょうか?
「子供の頃から外国の日用品が好きです。キッチンツールや文具、掃除道具など日本製品の方が日本の生活には合って使い勝手もいいですが、外国製品は使い勝手が悪くても、デザインやパッケージが綺麗だったり斬新だったりして心惹かれます。そんな製品が部屋にあるだけで、自分が海外に生活しているような楽しい気持ちになったります。また、この体験を通じて、気分を変えてくれたり想像力を掻き立ててくれたりしてくれるデザインがいいです。」
好きな場所は「NATIONAL AZABU」インターナショナルスーパーマーケット

長山さんがお好きな場所や空間はどこでしょうか?
「東京都の広尾にある「NATIONAL AZABU」インターナショナルスーパーマーケットが好きです。ここでは、食品や日用品を扱っていますが、輸入品が多く並んでいるので外国のスーパーに行ったような気分になります。週に1回は、食品や雑貨を購入します。」
今週は何を買いましたか?
「パッケージがよかった塩を買いました。小さいものを買うだけで楽しい気持ちになります。」
主に買うものはなんでしょうか?
「海外に行った際にも必ずスーパーマーケットに行くのですが、ティッシュペーパーはその際に購入します。 以前はナショナル麻布でも海外のティッシュペーパーが売っていましたが、最近は取り扱っていません。
なのでナショナル麻布で主に買うものは 海外の洗剤、文具、お菓子、調味料などです。 あとティッシュペーパーではないですが、アメリカのキッチンペーパーは良く購入します。」
インテリアスタイリストになった経緯は?

インテリアスタイリストになった経緯について伺いました。
「子供の頃から、映画やドラマで見るような欧米の海外の綺麗で大きな家に憧れていました。その後、海外の輸入雑貨を扱う会社に就職しました。当時は、海外で物を探す仕事がしたくて就職しましたが、隣の席の広報担当の先輩のもとに多くのスタイリストが訪れ、そこでスタイリストという職業を知りました。改めて、物を探すことが仕事になっているのがいいなって思い、自分に合っていると感じました。雑誌でスタイリストになる方法を探した結果、アシスタントからスタートして独立する流れでした。そこで、スタイリストの先生に3年ほどついて、その後独立しました。」
スタイリングの際に1番重視していることは?

長山さんの活動は、雑誌のインテリアページ、企業のショールームやカタログなど多岐に渡っていますが、スタイリングの際に1番重視していることはなんでしょうか?
「プロなので『クライアントが 何を求めているか?』を重視しています。その上で、できれば他にはない、オリジナリティのある仕事をしたいです。例えば、斬新な物の組み合わせや人々が知らないこと、評価しなかったものに光を当てるなどです。既存の価値観や固定のスタイルに固執せずに、自分なりのこだわりのスタイルを提案したいと思っています。」
キャリアを歩む上で最も影響を受けたものはなんでしょうか?
キャリアを歩む上で最も影響を受けたものについて教えてください。
「高校生で初めてアメリカに行き、それ以降はヨーロッパなど現地に行って実際に物を見たり暮らしに触れたりしたことが影響されました。」
イマジネーターという肩書は?

長山さんのホームページでは、インテリアスタイリストの他にイマジネーターという肩書がありますが、どういう意味でしょうか?
「何か物を聞いたり見たりした際に『お城をスタイリングしてみたい』などそれをきっかけに、突拍子もないことをつい頭の中でイマジネーションすることが多いです。実際に人に言ったりやろうとすることも多くあります。イマジネーターは、スタイリストを超えたもっと自由な感じです。」
常にスタイリスト目線で物事を捉えている

雑誌などで紹介するアイテムやスポットは、最先端だけでなくユニークなものが多いですがどのようにアンテナを張り巡らせているのでしょうか?
「インテリアショップ商品などに限らず、何か物をみた際に『これはこういうところに置くといい』『こういう物と組み合わせるとこういう風になるかも』などと、常にスタイリストっていう目線で物事を捉えています。何か見た際に、心に引っかかっている物があれば、そのことをずっと無意識に頭の中で考えています。そこで突然アイデア出て、予想外なスタイリングが出来上がります。」
民芸品にハマったきっかけは?

ライフワークは、世界のラブでキュートな民芸品をコレクションをすることですが、民芸にハマったきっかけについて教えてください。
「初めてスウェーデンに行った際に、見つけた国民的民芸品のダーラナホースです。はじめて見た時には、可愛くて感動しました。それから他の国にもあると思い、色々探し始めたのがきっかけです。」
民芸品の魅力について教えてください。
「国によって気候や文化などが異なりますが、さまざまな国から集めた民芸品でも、色や形、柄など、どこか共通することが多いです。可愛さには、時代や場所、文化は関係なく、人が無意識に求めている感覚が全人類共通してあるというところです。」
おしゃれな部屋にするコツは?

おしゃれな部屋を作るコツについて教えてください。
「おしゃれな部屋を作るには、まず変えられない要素(間取り・壁・ドアなど)を考え、それに合うテーマやルールを決めることが大切です。例えば、ダークな床ならシンプルモダン、白い壁なら北欧風など、統一感のある方向性を設定します。次に、大きな家具をベージュやグレーなど落ち着いた色で揃え、小物やファブリックでアクセントを加えます。アクセントとして入れる色は2色程度に絞るとまとまりやすくなります。また、衝動買いを避け、ルールに沿ったアイテム選びをすることで、整った空間をキープできます。」
Life is 素敵な暮らし
インタビューの最後、長山さんに「Life is ◯◯」空欄に当てはまる言葉を尋ねると、「Life is 素敵な暮らし」と答えてくれました。
「毎日の暮らしが素敵じゃないと人生楽しめない」
独自の視点で幅広く活躍!インテリアスタイリストの長山智美さん
雑誌のインテリアスタイリングから、ショールームやショップの空間コーディネートまで幅広く活躍するインテリアスタイリスト・イマジネーターの長山智美さん。長山さんが大切にしているのは、デザインが生み出す「心地よさ」と「楽しさ」です。
「毎日の暮らしが素敵じゃないと、人生は楽しめない」デザインの力で日常を豊かにする長山智美さんのこだわりとデザインは、今後も心地よく魅力的な暮らしを提案し続けるでしょう。