「家の中でも自然を常に感じるような家にしたい」デザイナー・成瀬文子のインテリアへのこだわりや住まいのテーマについて
前編:「家の中でも自然を常に感じるような家にしたい」デザイナー・成瀬文子のインテリアへのこだわりや住まいのテーマについて
「寝癖がついていても、素敵にみえる女性に似合うような洋服」をテーマに、自然体な女性に向けたアパレルブランド、アトリエナルセ・デザイナー・成瀬文子さん。今回は成瀬さんにインテリアへのこだわりや住まいのテーマについて伺いました。
縁があって我が家にきたプロダクトに愛着を持つ
成瀬さんは兵庫県宝塚にあるご自宅にご家族と一緒に暮らしていらっしゃいますが、住まいやインテリアについてどういったこだわりを持っていらっしゃいますか。
「実はそんなにこだわりを持っているわけではないんです。本当に縁あって我が家にやってきた家具とか物とかを使っているうちに、自分たち自身が愛着を持って使っているような感じです。」
家具はどういった基準で選ばれていますか。
「強いて言うと、あまり加工されていない無垢なものを選ぶことが多いです。」
自然を感じられるような住まいを目指した
今のご自宅を建てる際に、何かテーマはありましたか。
「自宅は山の上にある高台に建てたので、すぐ裏には六甲山の山並みが見えるようなところです。家の中でも自然を常に感じるような家にしたいと思って、窓からの眺望がよく見えるように、家の角度をちょっと変えてみたり、木をたくさん植えて小鳥がたくさん来るようにしたり工夫を取り入れています。家の中より外の景色を活かすような家づくりを考えました。」
先週のお話からも感じたのですが、成瀬さんは本当にナチュラルな方ですね。
「普通の感覚を大事にしつつ、普通に暮らしている人に届くような服を作りたいなと思っています。」
雑然としていても気に入っているものなら落ち着く
書籍や植栽など、好きなものを散らかることなく素敵にディスプレイするコツはありますか。
「すごく難しくて、実際に自宅は散らかっているんです。家族もいるので本や漫画がどんどんと増えていくんです。ですので、雑然とはしているのですが、それぞれ気に入って買ったものだったりするので、そのままでもいいのかなと思っています。」
引っ越し初日の新鮮な気分を模様替えで味わいたい
ご夫婦ともにスイッチが入ると模様替えを始めてしまうことが度々あると伺いましたが、服のコーディネートのような感覚で空間も捉えていらっしゃるのでしょうか。
「家を購入したぶん引っ越しがなかなかできないのですが、引っ越した日の朝の新鮮な気分がすごく良かったな、とふと思い出すんです。その日の気分をもう一度味わうために、定期的に夫婦で模様替えをしています。」
それはどういったタイミングでスイッチが入るんでしょうか。
「夫も私も同じ仕事をしているので、生活リズムも合っているのか、ちょっと仕事が落ち着いたときとか、逆にちょっと煮詰まってるときとかに、気分転換にやることが多いですね。」
暮らしに対して同じ価値観を持ったかたがブランドを支持してくれる
ご自宅の空間デザインでは外の景色を大切にされているということでしたが、自然から受けるインスピレーションも創作に大切なポイントなのでしょうか。
「はい、もちろんあると思います。私のつくるものは生活しながら生まれてくるようなものなので、私自身がどんな暮らしをして、どんなふうに年を取りたいか、大切なものは何なのか、という視点は常に考えています。多分お客さまには私と同じような価値観を持った方が多いんじゃないかと感じています。」
人生のなかの変化を楽しむ
暮らしの中の変化を大切にした等身大のデザインで、幅広い世代に心地の良い洋服を提案する成瀬さん。そんな成瀬さんにとってライフイズ〇〇の〇〇に入るものは何でしょうか?
「“変化を楽しむ”です。人生における自分自身の変化や、家族や一緒に働いているスタッフ、仕事の変化とか、いろんな変化がこれからもどんどんやってくると思うのですが、そういったものを面白がれるような人になりたいと思っています。」
日々の生活を普通に過ごし、日常の変化を丁寧に捉える
普通に暮らしている人に届くように、自然体な感覚を大切に過ごしていると語る成瀬さん。ふだんの暮らしの中の変化を見逃すことなく、ていねいに汲み取ることで、自分が無意識に求めているものがクリアになり、創作のアイディアへとつながるのかもしれません。