建築家・神谷修平率いるKAMIYA ARCHITECTSによる、都市環境が導いたコンクリート彫刻のような集合住宅「THE CONTOUR」

デンマーク、日本で実績を積んだ建築家・神谷修平。彼が率いる建築設計事務所「株式会社カミヤアーキテクツ」では、「世界に感動をゆり起こすクリエイティブな建築設計組織」をビジョンに、空間設計に限らずさまざまなクリエイティブでクライアントの課題解決を目指したソリューションを提供しています。

カミヤアーキテクツが手掛けた集合住宅「THE CONTOUR」は、敷地条件から導かれた彫刻的なフォルムが美しい建築。個人住宅とは思えないような洗練されたモダンな佇まいが、多くの注目を集めています。

騒音やプライバシーの課題から導かれた外壁とフォルム

2024年2月、東京・旗の台に竣工した5階建て・14戸の集合住宅「THE CONTOUR」。敷地は正面2面が環状7号線と歩道橋に接しており、2階以上の住宅階はプライバシーと静寂さの確保が難しい環境。

そこで正面2面には窓の一切ないコンクリートの壁を立ち上げることで、外部の騒音や視線から住人を守るかたちに。

一方、側面の道路2方面には開放感のあるベランダを設けることで、住空間としての快適性を保っています。

建築は日影規制や斜線制限によって削られた建物の上部と、外部に開いた特徴的なエントランスから、ソリッドで彫刻的な形状が導かれました。

匿名性の高い都市のノイズをデザイン

外壁の打ち放しのコンクリートには通常約3mおきに設けられる施工目地が等高線（contour）のように無数に施されており、建築の名称にも繋がっています。

スタイリッシュな正面のコンクリートの表情は、1階に入居する店舗にとってアイコニックなファサードとなっています。

これらはいずれも、「都市インフラとヒューマンスケールをゆるやかにつなぐ解決策を考えた」と語る神谷ならではの提案です。

用途に合わせたバリエーションを用意

投資用集合住宅という性格上、居室はコンパクトな住戸が大半であるものの、上層階には都心を一望できるテラスを備えた2軒のペントハウスを用意。

ここにはデンマーク発のインテリアブランド BoConcept（ボーコンセプト）と協働し、北欧の暮らしにおける心地よさを体感できる家具と灯りがコーディネートされています。

都市環境から生まれたコンクリートの彫刻

環状線に面し、プライバシーの確保と厳しい敷地条件から導かれた彫刻的なコンクリートの造形がユニークな「THE CONTOUR」。ロードサイドながら住民の快適性を追求したプランとモダンな印象を与える外観によって、都市環境での住まいの在り方に新たな解決策を提示した建築です。