姫路市立美術館で特別企画展「隈研吾流オノマトペで見る建築 姫路編」が開催!

世界的に活躍する建築家、隈研吾が故郷・姫路の建築をユニークな視点で捉えた展覧会が、姫路市立美術館で開催されます。建築を「オノマトペ」で表現するという斬新な試みを通して、姫路城や書寫山圓教寺など、私たちが普段見慣れた風景が、全く新しい姿を見せてくれます。

オノマトペで建築を語る、隈研吾が描く姫路の風景

世界的に活躍する建築家、隈研吾氏。その独特な視点と感性で、私たちの生活空間を革新的に変えてきました。今回、隈研吾氏は、自身の故郷でもある姫路の3つの建築物にスポットを当て、新たな魅力を引き出します。本展の最大の特徴は、隈研吾氏が建築物を「オノマトペ」で表現している点です。「姫路城はつんつん」「書寫山圓教寺はぱらぱら」「姫路市立美術館はこつこつ」といった、一見すると建築物には似つかわしくない言葉で、各建築物の特徴を鮮やかに描き出します。

「つんつん」という言葉からは、姫路城の鋭角的な天守閣や、石積みによる重厚感が伝わってきます。「ぱらぱら」という言葉は、書寫山圓教寺の瓦屋根が風に揺れる様子や、木漏れ日のきらめきを連想させます。これらのオノマトペは、単なる擬声語ではなく、隈研吾氏が建築物に対して抱く感情や、建築物と人との関係性を表していると言えるでしょう。従来、建築は専門的な知識がないと、その魅力を深く理解することが難しいと思われていました。しかし、本展では、隈研吾氏の親しみやすい言葉である「オノマトペ」を用いることで、建築をより身近な存在として捉え直すことができます。

五感で感じる建築を模型や素材で表現する隈研吾の世界

隈研吾 photo ©J.C.Carbonne
隈研吾 photo ©J.C.Carbonne

本展では、隈研吾氏の建築作品を、単に写真や図面で紹介するだけでなく、模型や実際の建築に使われた素材を用いて、五感で建築を体験できるような展示となっています。緻密に作られた縮尺模型は、建築物の構造や空間構成を立体的に捉えることができる貴重な資料です。隈研吾の建築作品の特徴である、木や竹などの自然素材をふんだんに使用した構造や、光と影が織りなす空間など、細部まで観察することができます。

「つんつん」の参考事例(GC プロそミュージアム・リサーチセンター、2010、愛知) ©Daici Ano
「つんつん」の参考事例(GC プロそミュージアム・リサーチセンター、2010、愛知) ©Daici Ano

展示会場には、隈研吾氏の建築作品に使われた木、石、土などの素材が展示されています。実際に触れることで、素材の温もりや重み、そして建築物に込められた想いを深く理解することができます。模型や素材とともに、隈研吾氏の建築設計図やスケッチ、そして建築が完成するまでの過程を記録した写真などが展示されます。これらの資料を通して、隈研吾氏の建築がどのように生まれ、どのように人々の生活と関わってきたのかを知ることができます。

建築は、私たちの心に様々な影響を与えます。本展では、隈研吾氏の建築作品が来場者にどのような感情や感覚をもたらすのかを、五感を通じて体験することができます。例えば、木の温もりに触れることで心が安らぎ、自然素材の香りが心地よさを生み出すなど、建築がもたらす癒やしの効果を実感できるでしょう。

姫路の建築を巡る街歩きから始まる新たな発見

「ぱらぱら」の参考事例(梼原 木橋ミュージアム、2010、高知 ©Takumi Ota)
「ぱらぱら」の参考事例(梼原 木橋ミュージアム、2010、高知 ©Takumi Ota)

展覧会から街へ、建築探訪する本展は、美術館にとどまらず、姫路の街全体を舞台にした体験型の企画となっています。展覧会で得た建築への理解を深めるため、姫路市内の様々な建築物を巡るプログラムが用意されています。街歩きマップで隠れた名建築を発見します。美術館では、姫路市内の近現代建築を紹介するオリジナルマップを配布します。このマップを片手に、美術館学芸員が厳選した、歴史的にも建築的にも価値の高い建物を巡ることができます。

展覧会期間中には、建築の専門家と一緒に、姫路城や他の歴史的建造物を巡るツアーが開催されます。専門家の解説を聞きながら建築を鑑賞することで、より深く建築の構造や美しさ、歴史的背景などを理解することができます。

姫路には、隈研吾以外にも、多くの著名な建築家によって設計された現代建築が数多く存在します。これらの建築物を訪れることで、現代建築の多様性や、都市と建築の関係性について考えるきっかけとなるでしょう。建築は、単なる建物ではなく、人々の生活や文化を映し出す鏡です。本展を通して、参加者は建築を媒介として、街と人とのつながり、そして歴史と現代とのつながりを感じることができるでしょう。

建築を見る目を変える展覧会

この展覧会では、隈研吾が「オノマトペ」というユニークな手法で姫路の建築の魅力を再発見しました。模型や素材に触れたり、街を巡るツアーに参加したりと、五感で建築を体験できる機会も。この展覧会を通して、あなたはきっと、建築を見る目が変わるはずです。

隈研吾流オノマトペで見る建築 姫路編 / Kengo Kuma’s Onomatopoeia in Architecture – Himeji version

会期:2024年9月21日(土)-11月17日(日)
休館:月曜日(ただし9月23日、10月14日、11月4日は開館)、9月24日(火)、10月15日(火)、11月5日(火)
場所:姫路市立美術館 企画展示室
観覧料:一般 1,400(1,200)円 高大 800(600)円 小中 400(200)円
*括弧内は団体料金(20名以上)