【建築家に聞く10のアイディア】安定したやわらかな明るさが魅力!”北側リビング”のすすめ
家族が集う家の中心、リビング。南向きの窓から太陽の光が降り注ぐ明るい空間に憧れる人も多いですよね。たしかに、リビングが南に面していると長い時間太陽光を取り入れられるため、1日を通して明るいものの、良いことばかりではありません。南からの光は強いため、室内の部材や家具などが傷みやすくなったり、夏場の室温が高くなりすぎたりと、注意すべきポイントが多いことも事実。一方北側からの光は柔らかく、一日を通して均等な明るさを室内にもたらします。他にも北向きリビングには思わぬメリットがあるんです。
視線の気になる敷地でも明るいリビングが可能に
こちらの住宅では、敷地の周囲に建物が隣接しており、1階に大開口を設けることは外からの視線の面でも、室内からの眺めの面でも、むずかしい立地でした。そこで、1階には窓を設けず、隣家が平屋である北側にリビングを配置し、2階の吹き抜け部分から光を取り入れる設計に。 しっかりとした採光計画により、外からの視線や眺めの問題もクリアにし、 居心地のいいリビングが完成しました。
直射日光が入らないため、家具や本が痛みにくい
直射日光の少ない北向きの陽射しは、インテリアの日焼けを防いでくれるため、家具やフローリングの劣化を最小限にすることができます。特に木製の家具は直射日光に弱く、無垢材は日に焼けることで変色したり、乾燥して収縮や割れ、反りを起こすこともあります。
また、本やCD、レコードなども日の光で変色したり劣化することがあります。家具や雑貨などを大切にしている人にとっては、それらが傷みにくいリビングは大きな魅力となるはずです。
1日を通して安定した陽射し
北向きの窓からの光は柔らかい陽射しで、落ち着いた雰囲気のリビングを作ることができます。また、北側からの採光は朝日や西日などの影響も少なく、安定した柔らかい陽射しは1日を通して過ごしやすい空間を演出してくれます。
こちらの住宅のように吹き抜けを設けて天窓からの光を取り込めば、日中の明るさをプラスすることができ、間接照明との合わせ技で理想のリビングをつくることができます。
北側の光のやわらかさは格別です
意外とメリットが多く、工夫次第で心地の良い空間となる北側リビング。「北向きの家は日当たりが悪いから…」と先入観で決めつけるのではなく、間取りで悩んだ際には、ぜひ北側リビングも検討してみてください。