【建築家に聞く10のアイディア】プライバシーも開放感も両方get!”外の空間を生かしたリビングの妙技”

家づくりをする際には、大きな窓から明るい陽射しや心地よい風といった自然の恵みを採り入れ、室内にいながら外の景色や空間の拡がりを感じられるような、開放的な住まいにしたいですよね。しかし、窓を大きく開けるということは、同時に隣家や道路からの視線も室内に入ってくる可能性が高くなり、住まいのプライバシー性が低くなることにもつながります。開放感とプライバシーの両立には、どういった手法が有効なのでしょうか。

ウッドデッキを地続きに設ける

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こちらの住宅は、開放感とプライバシーを両立させたリビングの好例です。ポイントは、外に向かって大きく広がるように設置されたウッドデッキにあります。

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室内からシームレスにつながるウッドデッキは、すべてがオープンではなく、まるでウッドデッキを守るように左右から袖壁が迫り出しています。この袖壁が、外部からの視線を遮る役割を果たし、大きな窓にカーテンをつけなくても、プライバシーをしっかり守ってくれています。また、ウッドデッキの天井、床、袖壁も、室内と同じ素材を用いることで、大きな窓を挟んで室内と外がつながっているかのような印象に。

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さらに、ウッドデッキに奥行きを持たせたことで、まるで外の空間を家の中に引っ張り込むようなイメージの視覚効果が生まれました。 照明計画では、間接照明を用いて室内をやわらかい光で包むことで、 空間をより広々と感じさせるよう工夫がなされています。

中庭を設ける

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建物が密集して建ち並ぶような住宅街では、窓を通して外から住宅内が見えたり、窓を開けても隣家の外壁が目の前に広がるようなことも珍しくありません。そうした周辺環境の中で有効となるのが“中庭”です。

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リビングに中庭に向けた開口部を設けることで、開放感はもちろん、カーテンさえも必要のないプライバシー性を確保することができます。タイルやウッドデッキを配置すれば、アウトドアリビングとして、第二の家族の憩いの場や来客時のおもてなしとしても重宝します。

この住宅のように、コの字やロの字の中庭なら、家の外壁に囲まれているため、隣家や通りからの視線を気にせず自由気ままにくつろいで過ごすことができます。

塀や生垣を設ける

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敷地に余裕がある場合なら、敷地の周囲に塀や生垣を使ってプライバシー性を確保していくこともできます。こちらの住宅では、塀を設けることで塀の上の青空だけが見え、視線が抜けていくようになりました。夏場は光が降り注ぐ気持ちのいい屋外空間になっています。また、こちらの住まいのように塀の内部にデッキを設置すれば、窓を開放することで屋内・外をつなげて楽しむことができ、リビングを拡張できるのも嬉しいポイントです。外部からの侵入が難しく、防犯上もメリットも大きくなります。

開放感の中で家族と共に過ごすひととき

敷地や間取りに制限がある場合、リビングに十分な面積を確保できないこともあるでしょう。しかし、外部とのつながり方や視覚効果、 照明計画などの工夫によって、気持ちのよい、開放的な空間をつくることは可能です。プライバシーが守られた空間で、自然を感じながらくつろぐ時間は、家族に豊かな時間をもたらすことができるでしょう。