「mobile casa(モバイル・カーサ)」は日本でも多拠点居住を可能にしたトレーラーハウス

トレーラーハウスは世界中で重宝されており、アメリカではモービルホームと言われ、2000万人以上の国民が旅をしながら車中で暮らしている。欧米型のトレーラーハウスは日本であまり普及しなかったが、テレワークや地方移住が注目されるにつれて、次第に需要が高まっている。こうした期待に応えるべく開発された日本独自のトレーラーハウスが、mobile casa(モバイル・カーサ)なのだ。

従来のトレーラーハウスの弱点を克服したmobile casa

トレーラーハウスは欧米で開発が進んでおり、日本にも輸入されたが、湿潤な気候に合わず、特に森林地帯に設置すると短期間で建材が傷んでしまうという弊害が指摘されていた。また、欧米で主流の大型トレーラーハウスは、狭い道路が多い日本では移動しにくいという面もあり、普及しにくかったと言えよう。目的地まで運べたとしても、前面道路に一定の幅がないと搬入できないのだ。こうした問題点をクリアしたトレーラーハウスがmobile casaである。mobile casaはコンパクトなサイズで移動が便利なうえ、湿潤な気候に耐えられる建材を用いており、屋根が低い直方体でメンテナンスもしやすいことから、日本でも長期間の使用が可能になったのだ。

mobile casaの特徴

mobile casaは、トレーラーハウスという車両でありながら、一般的な家屋と全く変わらない機能を備えている。キッチンのコンロや洗面台をはじめ、シャワールームやトイレからエアコンや換気扇に至るまで、通常の家に引けを取らないのだ。洗濯機も設置され、その上にはロフトがあって、最大人数4人まで寝床を確保できるスペースがある。さらに、壁や屋根に断熱性の高い素材を用いており、窓にはペアガラスを嵌めていることから、自動車のようにエアコンを使わないと夏は極端に暑く冬は外気と同様に冷えるという心配もない。

建材も堅牢なため、地震だけでなく強風や衝突にも強い。移動中に多少の衝撃があっても損壊しないだろう。

様々な目的に生かせるmobile casa

mobile casaに住むと、全国を移動しながら生活するという多拠点居住のライフスタイルを実現できる。自分が気に入った場所に好きなだけ居られるので、周囲の環境に飽きることが無く、刺激に満ちた生活を送れるだろう。パソコンとネット環境さえあれば仕事ができるIT技術者などに向いているかもしれない。また、庭の余ったスペースにmobile casaを置けば、独立した子どもが家族を連れて訪れた際に宿泊するゲストハウスにもなる。mobile casaのように独立した建物なら、気兼ねなく泊まれるだろう。子どもが来ない時は、書斎として用いたり、1人で寛いだりする際に利用できる。

新しいライフスタイルに適したmobile casa

かつては家と言えば特定の土地に基礎を固めて定住するのが常識であった。しかし、地震が常に脅威となり、身軽に移動できるライフスタイルの方が合理的であると気付く人が増えて、住居に対する意識も変わりつつあると言えよう。mobile casa(モバイル・カーサ)は、移動生活を楽しみながら安全で効率的な生活を実現できる家である。様々な目的に生かせるmobile casa(モバイル・カーサ)の応用範囲は、これからも広がっていくだろう。