コストを省いて賢く家づくり。住宅会社の「無料です」の落とし穴とは?

家づくりの際、可能な限り無駄なコストは省きたいものだ。しかし、実際には不要なコストによって購入費用がかさんでいる場合も少なくない。しかも、住宅会社による「無料です」という言葉によって、他人のコストまで支払うことになっているということは、多くの方が気づいていないだろう。では、コストを省いて賢く快適な家づくりを成功させるためにはどうすればいいのか?

家づくりで必要なコストとは、購入費だけではない?

家づくりにかかるコストを考えたとき、土地代や建築費などに注目する方が多いだろう。しかし、実はその他にかかるコストも案外多い。知らずにいると思わぬ出費に悩まされることとなるため注意が必要だ。例えば、登録免許税、不動産取得税、印紙税と言った税金の支払いである。さらには、住宅ローン手数料、司法書士への報酬など、家づくりの際には様々な諸費用が発生する。また、技術、設計、デザインなど多くの人によって建設されるため、当然そこには人件費というものもかかってくる。その他に、常設住宅展示場での「プラン作成無料です」という言葉にも注意が必要だ。

「無料です」は落とし穴?他人のコストも負担するワケとは

常設住宅展示場に行くと、「敷地調査、プラン作成、無料です」という言葉を耳にしないだろうか?「無料」という言葉に安心して頼む方も多いだろう。もちろん、プランだけ作って結局そのまま成約しないケースも多い。しかし、無料としている「プラン作成」や「敷地調査」には実際は費用がかかっているのである。では、なぜ「無料」としているのか?という疑問が湧くだろう。実はその費用は、次に成約する方がまとめて「建築費」として支払っているのである。つまり、そこで成約した場合、知らないうちに他人のプラン作成コストや敷地調査費用、人件費まで支払っていることになるのだ。家は安い買い物ではないため、このような不要なコストは可能な限り省くことが大切である。

賢い家づくりの基本は、不要なコストを省くところから

常設住宅展示場で「無料です」とプラン作成を勧められた場合、成約するのは避けたほうが無難だが、良いデザインや家づくりのヒントはそこから得ることができるだろう。ヒントを受け取った上で、自分ならどんな家をつくりたいかじっくり考えるといい。もちろんなるべくコストを省きながら機能性やデザイン性を高める工夫も必要だ。

特におすすめなのは、シンプル設計である。凹凸が多い家はその分無駄なコストがかかるが、シンプルなキューブのような設計であればコストを省くことができる。また、流行を追わないシンプルなつくりであれば時代を問わず愛されるため、古くなっても古さを感じにくいだろう。ただ、耐震や断熱部分についてのコスト削減は注意が必要だ。長く住み続けるためには、ある程度の強度があり地震にも耐えぬいてもらわなければならない。断熱についても注意が必要だ。断熱材を安く済ませることで夏は暑く冬は寒い家となってしまっては、光熱費がかさむばかりである。長い目で見た場合にどちらがコスト削減につながるのか、考えることも大切だ。

家づくりは不要なコストを省くため、賢い選択が必要

家づくりは人生での一大イベントだ。だからこそ、失敗はしたくないものである。安心・安全な家に今後も長く楽しみながら住むことができるよう、購入する際はメインとなる家だけではなく、その他の諸費用や今後長い目で見た場合のコストについても考えることが大切だ。何が無駄なコストとなるのか、また何を重視すべきなのかを賢く選択していく必要がある。