進化し続ける独特の生地に注目! 懐かしくて新しい湘南タコス /OUTSIDE KITCHEN BOON

【店名】OUTSIDE KITCHEN BOON(アウトサイドキッチン ブーン)
【ジャンル】タコス
【ご担当者】大谷隆範さん
【拠点所在地】神奈川県厚木市

2020年2月から本格的に活動し始めた大谷さんご夫妻の「OUTSIDE KITCHEN BOON(アウトサイドキッチン ブーン)」は、生地から手づくりしているオリジナルタコスをキッチンカーで販売しているお店です。もともとイタリアンの料理人として実力を磨いてきた隆範さんと、OLだった奥さまとが一緒に切り盛りしています。

奥さまが昔から大好きなタコス屋さんがあり、いつかこんなお店を自分たちでも持てたらと考えていたところに、飲食業で夜型の生活が続いていた隆範さんの「ずっとこういう生活を続けるんだろうか? ランチ中心のお店だったら、昼型のリズムでやれるかもしれない」という思いも重なり、思い切って独立を決めたそうです。

コロナ禍で飲食店が厳しい状況に置かれる中、独立にあたって怖さはなかったのかとたずねると、「ワクワクの方が強かったです。昼中心で、なんて思っていたけど、蓋を開けてみたら朝から晩まで働いています(笑)」と隆範さん。2ヶ月に1度の茅ヶ崎ストーリーマルシェをはじめ、茅ヶ崎の雑貨屋さんの店先のスペースや、厚木、伊勢原、相模原など神奈川県を中心に、各拠点に2週間に一度くらいの頻度で現れるタコス屋さんとして、地域の人たちに次第に知られるようになってきています。

ザクザクッとした絶妙の食感がクセになる

OUTSIDE KITCHEN BOONのタコスの特徴の1つは、自家製ザクザク生地です。

タコスもつくり方ひとつで全く違った食感になるそうですが、隆範さんのつくる生地は、本場メキシコなどでよくあるフニャッとしたやわらかい生地でもなく、スナックのようなバリバリした生地でもありません。かぶりついた瞬間に、トウモロコシ粉のこうばしい香りと共に、ザクッと軽やかな歯触りを感じる独特の生地。そこに何層も重ねた大ぶりのレタスのシャキシャキ感が相まって、子どもも大人も食べるのが楽しくなるような食感なのです。

しかもこの生地は、研究熱心な隆範さんによって日々アップデート中。毎回「これがベスト!」と思って提供しているそうですが、「おそらくお店を始めたばかりの頃と今とでは、生地の感じが全然違うと思います。もうちょっとこういう配合にして、こういうふうにつくったら、こうなるんじゃないか?と工夫して改良していけるのが『粉もの』の面白いところです」とのこと。

自己ベストを更新し続けるタコスと聞けば、また次も食べてみたくなりますね!

アクセントは2日間じっくり煮込む濃厚トマトソース

そして、もう一つの特徴が、2日間じっくりと煮込んでつくるトマトソース。メキシコだとフレッシュトマトを焼いてカットしたものを挟んだりしますが、OUTSIDE KITCHEN BOONのソースはどちらかと言うとイタリアンのソースみたいに、刻んだ玉ねぎとトマトを一緒によく煮込んで濃厚なコクを出します。

ピリッと辛いソースと、辛くないソースと2種類用意しているので、子どもからお年寄りまでタコスを楽しめます。

このザクザク生地とたっぷりレタス、濃厚トマトソースに合わせる具材もいろんなバリエーションがあります。王道のチキンやビーフはもちろん、ガーリックシュリンプ、チキンカツ、時にはグラタンやカレーコロッケまで! こうしたメニューも大谷さん夫妻が「これを挟んでみたらおいしいんじゃない?」と日々実験をしながら開発しているそうです。

生ハムを挟むのが湘南タコスの本流

外せない定番は「生ハム」。実は奥さまが好きだったというタコス屋さんは、湘南エリアで30年以上続く歴史のあるお店。そのお店ができた当時、湘南ではタコス屋さんがちょっとしたブームでたくさんのお店があり、定番の具が生ハムだったそうです。「だから、当時の湘南のタコスをご存知のお客さまは、生ハムタコスを見ると『懐かしい!』っておっしゃるんですよ」と隆範さん。OUTSIDE KITCHEN BOONのタコスには、知られざる湘南タコスの歴史へのリスペクトが込められているようです。

誰かにとっての「思い出」になるようなお店を目指して

大谷夫妻に、お店として大事にしていることを伺いました。

「お客さまの価値観は人それぞれだと思いますが、僕たちは『楽しんでもらえるものをご提供したい』という気持ちでやっています。食を通じて楽しんでいただけたらうれしい。子どもの頃、塾に行く日だけ、あのお店のソフトクリームが食べられるとか、そういう思い出に残っている食べ物やお店ってありますよね。僕たちも、誰かにとってのそんなお店になりたいなって思っているんです」

だからこそ、地域の各所に定期的に出店して、日常風景の一つになることを心掛けているそうです。

「茅ヶ崎ストーリーマルシェに出店していらっしゃるお店のみなさんは、ちゃんと自分の商品に向き合って、丁寧に取り組んでいるのを感じます。おにぎり屋さんだったら、注文を受けてから一つひとつ手で握るとか、ピザ屋さんだったら、注文を受けてから生地を伸ばして焼くとか。すごく勉強になります。僕たちもそういうお店でありたいと思います」

今後は、まだ自分たちのタコスを食べたことがないという方に一人でも多く食べていただいて、知ってもらえるようにコツコツ続けていきたいとおっしゃるOUTSIDE KITCHEN BOONさん。マルシェで見つけたら、日々進化し続けるの自家製ザクザク生地のタコスを、お気に入りの具材と一緒にぜひ頬張ってみてくださいね。

【お店情報】
OUTSIDE KITCHEN BOON(アウトサイドキッチン・ブーン)
所在地:神奈川県厚木市 *キッチンカーの出店のみ
Instagram:https://www.instagram.com/outsidekitchen.boon/