デザインと性能の両立。規格住宅「casa nord(カーサ・ノルド)」のスリット窓に隠された、断熱と採光の秘密

規格住宅「casa nord(カーサ・ノルド)」の象徴であるスリット窓は、単なる外観デザインではありません。断熱・採光・プライバシーを同時に成立させる、計算された建築的装置です。

「casa nord」の象徴、スリット窓がつくる外観デザインの完成度

casa. nord(カーサ・ノルド)

規格住宅「casa nord(カーサ・ノルド)」をひと目で印象づけるのが、箱形のシンプルな外観に刻まれた細長いスリット窓だ。無駄を削ぎ落としたボリュームに、縦方向のラインがリズムよく入ることで、静かなのに強い個性を放つ。窓が大きければ開放感は得やすい一方で、寒冷地では断熱や結露、耐候性といった課題が一気に増える。

casa. nord(カーサ・ノルド)

casa nordはそこを「窓の形」と「窓の置き方」で解決し、外観デザインとしての完成度を保ちながら、住まいとしての合理性も同時に成立させている。ランダムに見える配置も、実は壁の構成や断熱パネルの特性、室内の光の回り方まで見据えた設計の結果であり、“意匠のための窓”ではなく“意匠と性能を同時に満たす窓”として成立している点がcasa nordの強みだ。結果として、派手さに頼らずとも、北国の景色にすっと馴染む端正な佇まいが生まれている。

断熱と採光を両立する設計戦略、スリット窓に隠された機能美

casa nord 内観

スリット窓の最大の価値は、デザインの記号性だけではなく、断熱と採光という相反しがちな要素を両立させる「設計戦略」そのものにある。一般的に、窓は外皮(外壁・屋根など)の中で熱が出入りしやすい弱点になりやすく、開口部が大きいほど断熱上は不利になる。そこでcasa nordは、窓を“縦に長く、幅を抑える”ことで、必要な光を確保しながら開口面積を過度に増やさないバランスを狙っている。

casa. nord(カーサ・ノルド)

縦方向の開口は、太陽高度や時間帯による光の入り方に変化をつけやすく、室内に「明るさのグラデーション」をつくりやすい。限られた採光条件でも、光が壁や床に反射しながら室内に回り、単なる照度以上の“居心地の良さ”につながるのがポイントだ。また、窓の配置が断熱パネルの特性を活かすよう計算されている点も重要で、外壁の断熱の連続性を崩しにくい構成を取りやすい。つまりスリット窓は、見た目の軽やかさをつくりながら、寒冷地で求められる断熱性を守るための「形の合理」でもある。意匠と性能が対立せず、同じ方向に働いているところに機能美がある。

プライバシーと快適性を守る窓配置の秘密

casa nord 内観

もう一つ、スリット窓が強い理由は、プライバシーを守りながら採光を成立させる“視線の制御”にある。大きな窓で開放感を得ても、隣家や道路からの視線が気になれば、結局カーテンを閉めがちになり、採光のメリットは失われる。casa nordのスリット窓は、幅を抑えることで視線の抜けを限定し、室内に必要な光だけを取り込む設計になっている。縦長の窓は、外から室内の奥までを一気に見通しにくく、結果として“見られにくいのに明るい”を実現しやすい。

casa nord 内観

さらに、窓の高さや位置をずらすことで、視線が集まりやすい目線のラインを避けつつ、光は上部から柔らかく落とし込むような環境をつくれる。これは単なる防犯や目隠しの話ではなく、住み心地そのものに直結する。人は無意識に視線を気にするとストレスが溜まり、家の中で最も長くいる場所が“落ち着かない場所”になってしまう。casa nordは、窓の形状と配置によって心理的な安心感を担保し、カーテンに頼らずとも快適に過ごせる余白を生み出している。デザイン、断熱、採光、プライバシーが一本の線でつながったとき、スリット窓は単なる意匠ではなく、暮らしを成立させる中核のディテールになる。

デザインと性能を両立する「casa nord(カーサ・ノルド)」のスリット窓

「casa nord(カーサ・ノルド)」のスリット窓は、デザインと性能を対立させない設計思想の象徴です。断熱性を守りながら光を取り込み、視線を制御することで快適性を高めています。意匠と機能が一体となった住まいの完成形といえるでしょう。