
建築家の工夫がいっぱい!開放的な景色と暮らす、店舗併用の平屋住宅
和歌山県の自然豊かな環境に佇む「ホーム」は、店舗併用型の平屋住宅です。夫婦の地元に近いエリアに建てられたこの家は、西側に道路、東側に広がる畑と春には美しい桜が咲く名所を望む、贅沢なロケーションにあります。ご主人のこだわりは、この美しい景色を日常に取り入れること。大きな開口部を設け、リビングに居ながらにして四季折々の風景を楽しめる住まいが実現しました。
視認性を重視した店舗とプライベートを守る住居の融合
住宅は、店舗併用型であることから、住居と店舗を明確に区切った設計が特徴です。
店舗部分は視認性を考慮し、デザイン性の高いファサードを採用。対して住居の玄関は控えめな位置に配置され、プライバシーがしっかりと確保されています。
建築前には6台分の駐車スペースを用意し、店舗利用者の利便性にも配慮しました。外観は、グレーを基調としたモダンなデザインに、ダークグレーのガルバリウム鋼板をアクセントとしてプラス。さらに、木の素材を随所に取り入れることで、温かみのある佇まいを実現しています。住宅棟と店舗棟は、それぞれ異なるボリュームの建物を廊下でつなぐ構成となっており、統一感がありながらもメリハリのあるデザインが印象的です。
光と景色を取り込む、開放感あふれるLDK
住居棟の玄関を開けると、横長の大きなシューズボックスを備えた広々とした玄関スペースが広がります。この玄関ホールから店舗棟へと続く廊下が設けられており、プライベートと仕事の行き来がスムーズに行えます。
扉を開けると、正面にはダイナミックな開放感を持つLDKが広がります。
リビングと地続きのウッドデッキ、勾配天井による高窓が、視線の広がりを生み出し、自然との一体感を感じられる空間に。
リビングの天井部分には板張りを採用し、ダイニングと緩やかにゾーニングしながら、落ち着いた雰囲気を演出しています。
キッチンは対面式のペニンシュラ型を採用し、作業をしながらも家族との会話を楽しめる設計に。
キッチンカウンターはブラックで統一され、洗練された印象をプラスしています。
ダイニングはLDKの一角から少し飛び出た形にし、3面を壁で囲むことで程よいこもり感のある空間に。
さらに、パントリーを設けることで、掃除道具や日用品を収納し、生活感を抑えたすっきりとした空間を保てる工夫が施されています。
暮らしを考え抜いた機能的な動線と収納
住まいの北側には、水回りとファミリークローゼットを一直線に配置し、効率的な家事動線を実現。
洗面スペースには造作のハンガーパイプを設け、室内干しをスムーズに行えるように設計されています。さらに、引き戸を備えることで、乾燥機能を効果的に活用できるようになっています。
ファミリークローゼットは広々とした設計で、棚を最上部のみに配置し、ハンガーパイプを多めに設けることで、衣類をたたまずに収納できる仕様に。これにより、洗濯後のアイロンがけや収納の手間を省き、効率的な家事をサポートします。
快適性とプライバシーを両立した個室空間
寝室や子ども部屋はシンプルなデザインにまとめられ、高窓を設置することで採光を確保しながらプライバシーにも配慮しています。
自然と調和する店舗スペース
一方の店舗棟の室内は、白壁とライトグレーの床面で構成されたシックな空間が広がります。
正面の大きな窓から差し込む光が柔らかく広がり、落ち着いた雰囲気を演出。
後方の窓からはのどかな周囲の風景を望むことができ、自然との緩やかなつながりを感じられる心地よい環境が整っています。
また、店舗棟にもシンプルですっきりとしたデザインのトイレを設置し、利用者にとって快適な空間を提供します。
機能性とデザインを兼ね備えた平屋の理想形
「ホーム」は、仕事とプライベートを両立しながら、自然を感じる豊かな暮らしを叶えるために設計された平屋住宅です。開放的なリビング、機能的な家事動線に収納の工夫が随所に施され、家族の暮らしを支える理想的な住まいとなっています。