「空気の音を感じる家」は建築家のアイディアが詰まった静寂と調和が生み出す心地よい住まい

鳥取県の住宅街に佇む「空気の音を感じる家」。オーナーが喫茶店で感じる「時が止まるような空間」を再現することをコンセプトに設計されました。中庭を中心に手前にLDK・床下収納、奥側に寝室を配置し、LDKからは、隣地越しに桜の木々と空が望めるよう工夫。石庭をイメージした和風の中庭の景色が暮らしに寄り添う、心を落ち着かせる研ぎ澄まされた空間を実現しました。日々の喧騒を忘れ、ただ感じることに集中できる、穏やかで豊かな暮らしを提案しています。

個性的でありながら自然と調和する外観デザイン

敷地は小さな山の麓に広がる住宅街の一画に位置し、正面と背面の2面が道路に接しています。

外観は、赤みの強い木板を使用したシンプルなフォルムに、片流れの屋根が特徴的。

建築正面には駐車スペースを確保し、道路に面する反対側には長く伸びた長方形の形状を採用しています。

ファサードには、小さな窓を2つのみ配置することでプライバシーを守りつつ、静かな佇まいを演出しています。

奥行きを感じる動線設計

玄関扉を開くと、奥のプライベートルームまで続く廊下が壁に沿って伸び、右手側には大きな床下収納を備えたスキップフロアのLDKが広がります。

床下収納には本棚と衣装スペースを配置し、籠もり感のある落ち着いた空間を演出。

趣味や勉強に集中できる、大人のための秘密基地のような場所となっています。

中庭がもたらす癒しの時間

手前のLDKと奥のプライベートルームの間には中庭を配置。

グリーンを控えめにし、石庭をメインとした日本庭園とすることで、手入れの負担を軽減しました。

中庭に面したプライベートルームは、そこからの光が広がる心地よい空間となっており、反対側の高窓からも光が差し込むことで、柔らかな自然光が1日を通して包み込みます。

シンプルな白い壁面に、深みのあるブラウンのフローリングが温かみを加えています。

日常を快適にする機能的な水回り

廊下と中庭の間には水回りを配置し、帰宅後すぐに手洗いや支度ができるよう設計されています。

ランドリースペースは中庭へ直接アクセスでき、洗濯後すぐに天日干しが可能。

家事動線がスムーズになり、日々の暮らしに余裕をもたらします。

スキップフロアのLDKが生み出す開放感

スキップフロアにはコンパクトなLDKを配置。高めの天井が空間に開放感を与えます。

連窓を設けることで、光や風を取り込みながら周囲の景色も楽しめる設計に。

キッチンは対面式のペニンシュラ型で、床レベルを下げることでカウンターをそのままダイニングテーブルとして活用。

これにより、限られたスペースを効率的に使いながら、温かみのある団らんの場を生み出しています。

照明は控えめにし、自然光をメインの明かりとして取り入れることで、時間や季節の移ろいを感じられる空間を実現。

朝の柔らかな光、夕暮れの温かなオレンジ色の光が室内に変化をもたらし、日々の暮らしに彩りを添えます。

穏やかに時が流れる住まい

「空気の音を感じる家」は、静寂と調和の中で、住む人が自分自身と向き合い、心を落ち着かせることができる住まいです。オーナーの理想を形にし、喧騒から離れた穏やかな時間を過ごせる空間がここにあります。