目指したのは、光が「たまり」家族がLDKに「たまる」家。生活導線を意識した配置はさすがの一言
居心地のいい家の定義として、洗練されたデザインや空間の広がり方、使いやすい機能性など、さまざまなポイントが挙げられます。今回ご紹介する住宅を手がけた建築家が意識したのは、「たまる」家。光を空間にため、家族がLDKにたまり、空間の質を高めたといいます。そんな「たまる」ポイントに注目して、おうちを詳しく見ていきましょう。
家族の導線を意識したLDKづくり
この住宅に暮らすのは、年齢差の少しあるご夫婦。LDKで多くの時間を過ごしてもらうため、建築家はLDKで「たまる」をテーマにプランを提案しました。室内は白を基調としたクリーンな印象で、木の温かみが感じられるカラーリングになっています。
帰宅後の家族の動線のルーティンを新しい家ではスムーズにしたいと言うことで、エントランスから日常の動線となる帰宅、手洗い、風呂、着替え、LDKを動線で繋ぐことに。くつろぎの場となるLDKをきれいな状態で使えるよう、人の流れを意識した作りになっています。
LDK上部が吹き抜けになっていることにより、上からの自然光が差し込んで明るい雰囲気に。部屋全体を明るく照らし、開放的な空間が広がっています。階段下のスペースは、飾り棚として採用。白壁をキャンバスにようにして、お気に入りの写真やアートを飾るのも良さそうです。
広いカウンターを設けたキッチンは、家族との対話も捗る予感。
敷地の間口も狭い土地であったため、不必要な開口部を設けていない点も特徴の1つ。隣接する住居の窓位置を把握し、視線を感じない視線の抜ける場所へ窓を設置することで、くつろげるLDKの質を高めたといいます。
開放的な吹き抜け空間
2階からの1階への導線は、リビングへアクセスするようリビング横を通る流れから、TVボードに合わせて階段の1段目を設けることで、空間に変化を持たせたとのこと。
キッチン横のスペースには、ゲスト用の場所を用意。LDKとの距離が離れているため、来客の宿泊スペースとして利用したり、スタディースペースの使ったりと、さまざまな活用法が楽しめそうです。
1階部分の窓は最小限に抑え、2階には大きな窓を設置。まるで額縁のように外の景色を切り取った、美しい風景を見ることができます。
清潔感に溢れたホテルライクの水まわり
エントランスから入り、そこから自然とトイレ・洗面スペースへ。LDKで快適な時間を過ごせるよう、帰宅からの流れがスムーズになるよう考えられた導線です。白で統一された脱衣所は清潔感たっぷり。
生活感が出やすいエリアだからこそ、色を最小限に抑えられていることでクリーンな印象を受けます。
洗面台には壁を利用した収納棚を設置。シュッとしたスタイリッシュな佇まいは、まるでホテルのバスルームのようです。ゆったりとした十分なスペースが設けられているから、ディフューザーやインテリアなど、お気に入りのアイテムを飾っておくのにもぴったり。
工夫が凝らされた、光と家族が「たまる」家
少し尖った美術館のような、印象的な外観からは想像もつかない、機能的で実用性に富んだおうち。一度住んだら、その快適さに病みつきになってしまうかもしれません。特にエントランスからの導線は、お見事の一言。家づくりを考えている方は、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。