「古さとともに味が出る家こそ愛着が湧く」大磯の海を見渡す高台に建つ眺望を望む家の経年変化の魅力

一生に一度のマイホームづくり。たくさんの事例やモデルルーム、プロの意見を参考に、後悔のない住まいを目指したいですよね。さまざまな専門家とともに数多くの住宅を提案する工務店を運営するオーナーと、信頼する建築家のコラボレーションによって実現した住まいには、豊かな暮らしのためのこだわりが散りばめられています。大磯の海を見渡す高台に建つ「眺望を望む家」は、立地を生かした構成とホテルのような居心地の良い住空間が魅力の住まいです。

個人住宅を中心に幅広い実績を持つ建築家・菊池佳晴

今回の「眺望を望む家」の設計を手掛けたのは、個人住宅を中心に集合住宅や商空間など幅広い空間づくりの実績を持つ建築家・菊建 佳晴。

1977年宮城県仙台市生まれ。2000年東北芸術工科大学卒業後、羽田設計事務所入所。2009年から都市建築設計集団にて勤務。2011年都市建築設計集団退職後、菊池佳晴建築設計事務所を設立。個人住宅を中心に、医院や店舗、アパート、事務所ビル、幼稚園、美容室や飲食店など幅広い空間設計を手掛けています。受賞歴にJIA東北住宅大賞2015 奨励賞、GOOD DESIGN AWARD 2020(上杉眺望を望む家)、エコハウスアワード2017 地域トップランナー部門優秀賞(国見ヶ丘眺望を望む家)など。

経過が味わい深くさせる、自然の風合いが魅力の木の外観

「眺望を望む家」の建材選びも、数多くの住まいを生み出したオーナーならではのこだわりがあります。建築資材の輸入販売・開発を手掛ける「チャネルオリジナル」では、自然素材を生かした建材を数多く提案しており、今回の空間にもさまざまなマテリアルが使用されています。

そんなチャネルオリジナルが特にこだわっているのが「木の外観」。「時間と共に変わっていく意匠=“時間だけがデザインできる美観”を広めること」 、「物をいつくしみ、状況に応じた維持・保持を繰り返して、長く美しく使う思想を建築に広めること」、この2点をモットーに、理想の木の外観を実現するバリエーション豊かな木材を提供しています。

今回ファサードに使用されたのは屋久島の地杉。屋久島は降雨量が多いため、樹脂分が多く雨風や寒暖差に強く、屋外でも使用できるほどの耐候性と防蟻・防ダニ効果があり、何年経っても劣化しにくいことが特長です。

建築家・菊池さんも木のファサードについてこう語ります。

「家づくりにおいては、新築時と変わらないような綺麗さを保てる材が好まれる傾向があります。しかし、何十年も過ごしていく中で、経年変化がないのは不自然だと思っていて、古さとともに味が出る家こそ、自然で愛着が湧くものだと考えています。

住み始めは木のブラウン系の色味が、段々とグレーになり、黒くなっていく。そうした時の経過による変化を楽しみながら生活する。家族の成長とともに、素材の経年変化も楽しむようなライフスタイルを提案したい、という想いも込めて木のファサードを採用しました。

そのためにもメンテナンスの点も意識しており、木のパネルは一つ一つ着脱が可能で、それぞれ壊れたら修復できるようにしています。壊れた箇所を修復しながら、一生住み続けられる住まいを目指しました。」

一生のパートナーとして、経年変化も楽しめる木のファサードの住まい

数々の住宅を生み出す工務店と、信頼する建築家とともに作り上げた住まい「眺望を望む家」。移り変わる時の経過も彩りを添える、木の風合いが優しいファサードは、長いパートナーとして家族と共に成長を楽しめそうです。

後編:「地球に負荷をかけずに、快適な空間を目指す」眺望を望む家にみる、自然にも家族にも優しいこれからの住まいづくり