隈研吾が東京東村山市にある築52年の商店街の空き店舗をデザイン!「和國商店」が今秋OPEN

風雨や日差しから暮らしを守る、住まいの屋根。その加工を手掛けるのは、匠の技をもつ板金職人です。「和國商店」は、そんな熟練の板金職人の技術と共に、長年の使用に耐えうる頑丈な金属を用いて、大切な人への贈り物を提案する工芸品ブランドです。そんな和國商店の新しいショップが東京東村山市の商店街に開業します。

日本の伝統文化を広く伝える工芸品ブランド「和國商店」

和國商店は屋根や外壁などの板金を手掛けるウチノ板金の工芸品ブランド。

特に板金の折鶴は海外のファンも多く、2022年からはフランス・ドイツの学校・大使館・公的機関で板金折鶴製作のワークショップも開催し、日本文化・折鶴の意味・板金技術を海外に伝える活動も行っています。

設計を手掛けるのは建築家・隈研吾

Via: Wikipedia.

建設予定の和國商店は、新国立競技場など数多くの世界的建築を手掛けている隈研吾氏のデザインとウチノ板金の建築板金の技術を掛け合わせ、「循環」をテーマにしています。設計・施工は創業52年を迎えた、自然素材で高性能住宅の建築を得意とする岡庭建設が担当します。

工芸品ブランドから始まる街の活性化プロジェクト

ショップがオープンする青葉商店街は、約60年前に開発されましたが、現在はシャッターを下ろした状態が目立つ商店街になっています。しかし、新型コロナウイルスの影響で様々な価値観が大きく変容し、各地で商店街という資源の価値も変わろうとしています。


今回のプロジェクトは、幼少期に青葉商店街で育ったウチノ板金の代表の内野友和が、この商店街の文化を活用し、地域活性、職人不足・技術継承などの様々な問題を少しでも解決できないかと、隈研吾氏に話を持ち掛けたところから始まりました。
この和國商店がきっかけとなり、人と人が繋がり、連綿と受け継がれてきた、青葉商店街が新たな価値を生み出す場所になることを目標としています。

隈研吾建築都市設計事務所 隈研吾氏

(左)ウチノ板金 内野友和 (中央)隈研吾氏 (右)岡庭建設 池田浩和氏

「僕は日本の板金の技術は世界一だと思っています。その世界一の日本の中でも、飛び抜けた技を持つウチノ板金の職人技術を世界にアピールしながら、青葉商店街再スタートの象徴となるような建物をデザインしようと思いました。商店街ならではの建築スケールを残しながら、ファサードから家具まで様々なスケールを板金で製作することで、かつて賑わっていた商店街の歴史と、新たな商店街の未来とを繋ぐ架け橋を作ります。普段屋根や外壁で目にしている板金にはこんな使い方があるんだ、と驚いてもらえるような空間になります。東村山の子どもからお年寄りまで、みんなが気軽に立ち寄れる街のカフェとして、人々に愛され続けるコミュニティの場となることを願っています。」

隈研吾建築都市設計事務所公式ウェブサイト:https://kkaa.co.jp/

岡庭建設 専務取締役 池田浩和氏

「僕は工務店として職人集団としてのウチノ板金と共に様々な建築を共にし、磨き抜かれた板金技術を長年にわたり目にしてきました。その職人技術をより今後の成熟社会に活かしていくために、今回はあえて既存の建築物再生(リノベーション)に挑戦しています。築年数が経過した建物は見え隠れや、想定と異なることも多く設計も施工も技術を要します。象徴的な建築デザインと性能向上にも挑んでいくので、より高い板金、職人技術が不可欠です。だからこそ、建築家・板金職人・地域工務店、高い技術を結集し、想いの具現化にかけたエネルギーが商店街や地域に伝承されていくことでしょう。そして「建築」と「場」から商店街の活性化を願うと共に、今後もその活動と歴史を応援し続けて行きたいと思います。」

岡庭建設公式ウェブサイト:https://www.okaniwa.jp/

伝統工芸と街への想いが、商店街を盛り上げる

和國商店は2023年秋に開業予定。伝統工芸を生み出す職人の高い技術と街への想い、そして、幅広い知見を持つ建築家によって生み出されるショップを皮切りに、青葉商店街は国内外からのゲストで賑わうスポットとなりそうです。