建築家・伊東豊雄による波打つ屋根と天井が特徴的な岐阜の市民に愛される「みんなの森・ぎふメディアコスモス」
岐阜県にあるみんなの森・ぎふメディアコスモスは、市民活動交流センターやカフェ、図書館などが一体となっている施設です。そして、岐阜市に暮らしている幅広い世代の人が、日常的に利用しています。そのみんなの森・ぎふメディアコスモスは、外観と内装共に、個性的なデザインとなっているのが有名です。日本を代表する建築家である、伊東豊雄が手掛けたデザインです。
波打ったような屋根が特徴の外観
みんなの森・ぎふメディアコスモスは、複数の役割を持った、2階建ての施設です。建築家の伊東豊雄が設計を担当し、2015年に完成しました。施設の中心となっているのは、2階にある岐阜市立図書館です。そして、1階には、市民活動交流センターや多文化交流プラザなどがあります。また、屋外は、様々な目的で使用できる広場となっています。さらに、コンビニやカフェも併設され、1日中滞在することが可能です。
みんなの森・ぎふメディアコスモスは、外観がまず特徴的で、正面から見ると屋根が波打ったような形状になっています。その屋根のデザインは、山並みを連想させることが目的です。周囲にある、金華山を始めとした山並みと似た形にすることで、自然と調和するように工夫されています。
市民が色々な目的で利用できる1階と広場
みんなの森・ぎふメディアコスモスの1階は、中央が職員用の書庫です。それを取り囲むように、周囲に多目的ホールや展示ギャラリー、市民活動交流センターなどが配置され、市民の憩いの場となっています。
230席あるみんなのホールではコンサートや演劇、スタジオでは楽器演奏やダンスレッスンなど、幅広い目的で利用可能です。そして、その1階と繋がる形で、屋外にはみんなの広場があります。広場には小川に沿った遊歩道が設けられ、散策することができます。
併設されたスタバも建築と調和したデザイン
みんなの森・ぎふメディアコスモスの1階部分には、カフェとしてスターバックスがあります。そのスタバは、みんなの森・ぎふメディアコスモスの建物と調和するデザインとなっています。茶色いドーム状の屋根が特徴的で、色も茶色で合わせてあります。さらに、内装もみんなの森・ぎふメディアコスモスに合わせる形で、テーブルや天井には天然の飛騨杉が使用されています。
波打つ天井が特徴的な図書館のデザイン
みんなの森・ぎふメディアコスモスの2階部分は、岐阜市立図書館となっていますが、その天井が非常に個性的です。
細長い木材を、格子状に重ねる形で、複数の層で構成されています。最も木材が重なっている部分で、21層あります。その天井は、ただのデザインではなく、建物のしっかりとした構造を担っています。いくつもの層によって、強固な作りが実現されている形です。それを実現しているのは、岐阜県産の東濃ひのきです。図書館の天井部分は、直線ではなく、不規則に波打つ形です。
その形は、東濃ひのきが本来持っている柔軟性を活かすことで、特別な加工を施すことなく実現されています。そして、不規則な天井によって、堅苦しくない、開放的な空間が作り出されています。
有機的な形のテラスにも波打つ天井が連続しています。
エリアを包み込むグローブ
みんなの森・ぎふメディアコスモスの天井からは、グローブという傘のようなものがぶら下がっています。全部で11個あるグローブは、岐阜にあるテント会社によって手掛けられていて、その下に異なるブースがあります。
グローブがあることで、仕切りを作ることなく、自然とブースごとで空間が分けられる形です。
さらに、グローブは白い素材で作られていて、日中に天井から入って来た光を、図書館内に分散させるという働きもあります。そうして、照明に使用するエネルギー削減にも貢献しています。
個性的なデザインのみんなの森・ぎふメディアコスモス
みんなの森・ぎふメディアコスモスは、非常に個性的なデザインをしています。そのため、個性的な建築デザインが好きだという人は、一度足を運んでみて、間近でそのデザインを見てみると良いでしょう。また、マイホームのデザインに迷っている人は、みんなの森・ぎふメディアコスモスを参考にしてみるという手もあります。市民のいこいを重視した造りが、家族団らんの住宅デザインに繋がるかもしれません。
みんなの森・ぎふメディアコスモス
開館時間: 9:00~21:00
休館日: 毎月最終火曜日、年末年始
URL: https://g-mediacosmos.jp/
住所: 岐阜県岐阜市司町40-5