家族構成の変化に合わせて、2度のリノベーションでより快適な暮らしを目指した住まい。

個人邸リノベーションや、団地・木造賃貸アパート再生、まちづくりリノベーションなど幅広い視点で豊かな暮らしづくりを提案するリノベーション業界のパイオニア「ブルースタジオ」。彼らが手掛けた東京都大田区にあるフレキシブルな広いワンルームは、デザイナーSさんご夫婦のための住まい。計画の当初に打ち合わせで出た「将来子どもが生まれた際、子ども部屋をどうしようか」という話から、遊園地のような円形の子ども部屋のアイディアに行き着き、そのアイディアを元に丸い土間がアイコンとなる住まいとなりました。それから10年後、お子さんが2人生まれライフスタイルに変化が出たタイミングで2回目のリノベーションを実施。ライフステージの変化に合わせた機能性をプラスしたリノベーションとなりました。

土間を子供部屋にリフォームできる可変的な住まい

Via : https://www.bluestudio.jp/ | Photos: Yoshiyuki Chiba

1回目のリノベーションでは、円形の子供部屋のアイディアから玄関スペースを広めにとって円形の土間を作り、子どもが生まれたら子ども部屋にリフォームできるデザインに。オーナーの「楽しい家にしたい」というオーダーに答え、オレンジやライトグリーンといったポップな色使いを基調としており、土間の床にはオレンジ色のアクリル塗装を施し、ステップをつけて遊べるようになっています。

一面の窓から入る光を最大限に活かしたLDK空間

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土間を進むと一面の窓から明かりが差し込むLDK空間が広がります。キッチン以外はほぼ片寄の間取りとなっており、入口手前に位置する和室の奥に寝室が配されています。奥さまの希望で設けられた和室は2畳とコンパクトながらも、3方が壁で囲まれ落ち着きを感じられるスペースとなっています。

家族構成の変化に合わせた2回目のリノベーション

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リノベーションから10年後、お子さんが2人生まれ、上のお子さんはそろそろ個室が欲しい年頃になってきました。さらに、コロナウイルスによって在宅勤務が増えるなど、ご夫婦のライフスタイルにも変化が出てきたことをきっかけに、2回目のリノベーションを行うことになりました。そこで今回は「子ども部屋を作る」を目的に進められました。1回目のリノベーションの際、玄関スペースを子ども部屋にするプランを予定していましたが、日々暮らすうちにセカンドリビングの玄関は家族にとって大切な場所になり、そのまま残すことに。代わりに、寝室を子ども部屋にリノベーションすることになりました。

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まだ個室が必要のない年齢の下のお子さんの部屋は、現状ではオーナーのワークスペースに。

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また、病気になった家族の療養のスペースとしても使用できます。

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和室奥に配されていたご夫婦の寝室は、LDKの中にある畳の小上がりに移動することに。

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そのままではやや手狭なため少し延長し、昼間はリビング、夜は寝室にするという時間帯で用途を変えることでクリアしました。これに合わせて布団用の収納を小上がりに造作しています。

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子ども部屋の仕切りは、寝室だったときと同じ低めの160cmにして、空間全体の雰囲気はそのままに保っています。天井よりも低いため光と風が通り、LDKとの一体感が感じられます。低めの仕切りは、猫のお気に入りのキャットウォークにもなっています。

理想の暮らしをアップデートする、2度目のリノベーションという選択肢

初回のリノベーションの際にたどり着いた理想の暮らしは、時が経っても本質的に変わらないもの。だからこそ、2回目は家族構成やワークスタイルの変化に適応するための、最低限の部分リノベーションに。実際に住んでいるので、必要な部分を見極められるのが2回目のメリットです。「どんな風に暮らしたいか」を考えて必要な部分だけにすれば、余計な手間やお金をかけずに、満足度の高い理想の住空間を得ることができます。