自然との調和が美しい、水庭を眺める空間が特徴的な美術館「佐川美術館」
日本最大の面積を誇る湖・琵琶湖のほとりに立つ、佐川美術館。滋賀県南部・守山市の琵琶湖沿いに立つ佐川美術館は、自然と建築物が調和したモダンでクールな佇まいが印象的な文化施設だ。
物流企業・佐川急便の創業40周年記念事業の一環として、平成10(1998)年に開館し、所蔵作品も国内最高峰の美術品が揃っている美術館である。
“水に浮ぶ美術館”と呼ばれる佐川美術館
JR守山駅から近江鉄道バス「佐川美術館」行きに乗り約30分。日本画家の平山郁夫氏、彫刻家の佐藤忠良氏、陶芸家の樂吉左衞門氏の日本美術界を代表する3人の巨匠の作品をコレクションしている佐川美術館。
遠くには比叡山、目の前には琵琶湖を望み、和の印象を重視しモノトーンを基調とした切妻造の2棟からなる本館と、地下展示室並びに茶室があり、それを取り囲むように大胆に水庭が配置されており、“水に浮ぶ美術館”とも呼ばれている。
この景観と見事にマッチした建築美が評判を呼び、国内の建築分野で最も権威ある賞「日本建築学会賞」において、佐川美術館は「2000年作品選奨」に選ばれた。その他にも数多くの賞を受賞し、有識者たちからも認められたフォトジェニックな美しさを持つミュージアムであるのだ。
スタイリッシュな建物、抜けるような青空、建物の足元をたゆたう水、あたかも一枚の絵のように、建物と自然が調和して見える。まさに建物自体がアートのようである。
水に浮かぶこの大きな三角屋根が特徴的となっており、一見コンクリートの打ちっぱなしに見える壁は木目調で細やかであり、建物全体から、落ち着きを感じられる。
形のない風や光までも取り入れる景観
美術館のある一帯は琵琶湖岸に接しているため、湖からの風をダイレクトに受けているので、その風が水庭の上を通り抜けるたびにさざ波が立ち、波に太陽の光が反射している。
形のない風や光までも取り入れた見事な景観である。
どこまでも続くような廊下は、太陽の光から反射する水庭の波の反射で、壁一面もキラキラと輝きを放ち、自然の演出の素晴らしさを感じることができる。
水庭にたたずむ佐藤忠良氏の「蝦夷鹿」
水庭にたたずむの佐藤忠良氏の作品「蝦夷鹿」は、躍動感溢れる彫像で人々の目を引くものとなっている。
自然との調和が素晴らしい、佐川美術館
常設展以外にもさまざまな特別企画展が開催され、ミュージアムショップやカフェも併設されている。
大胆に水を配し、自然と調和した建物で、平家で和風のシルエットを持ちながら、モダンな作りの佐川美術館。
近接する琵琶湖の水面を意識したと思われる建築外構のデザインは、素晴らしさを感じることができるだろう。
佐川美術館
住所:滋賀県守山市水保町北川2891
開館時間:9時30分から17時まで(入館は16時30分まで)
休館日:毎週月曜日(祝日・振替休日に当たる場合は翌日)、年末年始
※その他年間予定休館日はホームページのイベントカレンダーをご確認ください。