真っ白な外観と上下の凸凹によって生まれる特殊な空間が面白い「青森県立美術館」

スタイリッシュな白い外観が印象的な「casa cube」。

「casa cube」のように白く美しく、そして個性的な建物が実は青森県に健在する。

「casa cube」のように強烈な個性を有し、青森県の芸術風土とアーティストたちの心象風景を探求し、世界に発信する青木淳氏設計の「青森県立美術館」だ。

青森県の豊かな芸術風土を反映する「ホワイトキューブ」の美術館。

「青森県立美術館」は、青森県の豊かな自然と芸術風土を反映し、隣接する「三内丸山遺跡」の縄文時代のエネルギーを“ 芸術創造 ”と発掘現場から着想を得て、設計された。

遺跡のトレンチ(壕)のように見立て、土の上向きの凹凸と量塊の下向きの凹凸が、幾何学的に地面に建ち、その上から真っ白な煉瓦のホワイトキューブが覆いかぶさる、サイトスペシフィック・アートな展示室の美術館。

白と茶色のコントラストに順路を感じさせない自由な順路。

カーテンウォールで煉瓦を白く塗装し、トレンチ部分を土のような仕上げた外観と内装は、建物の内と外の印象を同じ印象に仕上げ建物一帯に統一感がある。大きな差異がないため、通路は順路を感じさせない自由さがある。

内部空間に設けられた真っ白な「ホワイトキューブ」の展示室と、土の床や壁が露出する「土」の展示室のコントラストが、対立し共存する力強い空間になっている。土の床や壁は展示会ごとに補修されてゆき、年とともに風合いと、建物としての奥行きを増す仕様だ。

青森出身のアーティストの力強い作品を堪能できる、他とは一味違った醍醐味。

展示さている作品は、シャガールなど有名作品から、「あおもり犬」に代表する奈良美智や棟方志功、代表的な作品をいくつも残し今もなお若い世代からも支持される寺山修司など、青森出身のアーティストの力強い芸術作品が楽しめる。

また、作品と雪化粧との調和も美しく、季節によって異なる風景を見ることができるため訪れる人を飽きさせない。青森県民ともに歩みながら新しいインスピレーションを発信する他とは一味違った美術館だ。

家族でも楽しめる個性的でニュークな「青森県立美術館」。

このユニークな美術館は大人だけではなく、未来を担う子供達にも子どものころから美術館や芸術に親しみを持ち、感性を養ってもらうため、ご家族で来ても楽しめる展示物が多い。

美術だけでなく、演劇、音楽、映画、など様々な文化芸術活動を活発に展開し、施設内には、青森の特産品がメニューに組み込まれたカフェやショップといったものも充実している。