家を建ててから老後まで、時を刻むことのできる“ 経年変化の家 ”「平屋」の魅力
昨今、田舎暮らしや古民家再生人気も相まって、日本の風土に合った昔ながらの平屋が注目を集めている。ワンフロアで完結しバリアフリーという機能的にも優れた平屋は、これから家を建てる若い世代から、団塊の世代の方まで年齢問わず需要が高まってきている。
平屋が人を惹きつけてやまないその魅力はなんなのか、平屋の魅力について触れてみたい。
住宅以外の建物としても採用される、「平屋」の優れた機能性。
平屋は、古くから幅広い用途の建築物に用いられてきたほど、機能性に優れている。階段がないため上下の上り下りがなく、動線が水平方向のみで構成されるため、平面計画がしやすい。
そんな平屋の利点を取り入れて、商業施設や、スーパーマーケット、コンビニエンスストアなど住宅以外でも多く取り入れられている。段差がないのでモノの搬入や移動がしやすい、人の目も行き届きやすいことから高齢者住宅や、幼稚園・保育園など地域の保育施設などにも適している。
シンプルな造りだから問題点も明確!デメリットだって柔軟に解消する「平屋」。
もちろん、機能性に優れた平屋だといってもデメリットがないわけではない。二階建て以上の住宅に比べ、住宅を建てる土地の基礎が広くなるため、どうしても坪単価が高くなってしまう。また、防犯の面でも一階建てとなると人が侵入しやすくなる。
土地の問題は、都心部では難しい場合もあるが、平屋はシンプルな構造なだけにデメリットを解消する工夫がしやすい。例えば、中心部分に中庭を設けたり天窓・トップライトを用いれば、外からの視線や侵入を防ぐだけでなく採光と通風も確保できる。また現在は昔と比べると、防犯ガラスやオシャレな面格子の採用など、防犯システムの導入も多様化されている。
パノラマの景気が切り取れる、自然の心地よさを感じれる「平屋」。
平屋住宅の大きな醍醐味は、窓が広くとれるので大きくローケーションを切り取ることができる。窓から眺める景色も家の一部として重要だ。また、部屋の仕切りが少なくワンフロアのため、「ヒートショック対策」に効果的で、各部屋の温度差が少なく窓をあければ部屋全体に風が行きわたる。
地面との距離も近く、庭や土や緑、自然の心地よさを感じながら生活することができる。
家族の動きが感じ取れる、バリアフリーで老後にやさしい家造り。
機能性に優れた平屋だが、平屋の一番の特徴は日々の生活を全て1階だけで過ごせるので家族一人一人の動きを感じ取れるということ。一つのフロアに個々の空間が繋がり、どこにいても家族の声が聞こえてくる温かい空間が平屋建て住宅の魅力。生活空間がワンフロアになることで、階段の上り下りの負担がなくなりお掃除やお洗濯などの家事動線ももしやすい。
平屋が人を惹きつけてやまないその魅力は、機能性だけではなく、これからそこに住まう人にも、数十年先の老後にも同じように感じることができる、快適で優しくどこか温かい家造りがなされているからだろう。