イトーキのオフィスファニチャーブランド「NII」がミラノサローネ2026に初出展!
オフィスという場所の意味が大きく変わりつつある今、その空間に置かれる家具にも、これまでとは異なる役割が求められています。働くための機能を満たすだけではなく、人を引き寄せ、会話を生み、思考をひらくきっかけになること。そうした新しいワークプレイスのあり方に応えるブランドとして、イトーキが展開するオフィスファニチャーブランド「NII(ニー)」が、2026年のミラノサローネに初出展します。世界最大級の家具・デザイン見本市として知られる国際的な舞台で、日本発の新しいオフィス家具の思想がどのように提示されるのか、注目が集まります。
働く人が躍動する“舞台”としてのオフィスを提案

NIIは、イトーキが2025年に立ち上げたオフィスファニチャーブランドです。背景にあるのは、「仕事はエンターテイメントとなり、オフィスはそのステージとなる」という思想です。働く人の動きや創造性を受け止める場としてオフィスをとらえ直し、その中で家具が果たす役割を再設計していく。NIIはそうした発想のもとで生まれました。ブランドコンセプトには「Ingenious design-創意創発するデザイン」が掲げられており、独創性のある造形と、コミュニケーションや協働を促す場づくりが大きな軸になっています。
興味深いのは、NIIが単なる新ブランドではなく、イトーキのデザイン戦略そのものを強く押し進める存在として位置づけられている点です。イトーキは、自社の強みとして掲げる「AI × Design based on PEOPLE」を融合・拡張しながら、これからの働く環境をより創造的なものへ更新しようとしています。NIIはその象徴ともいえる存在であり、機能性や快適性に加えて、空間にインスピレーションやエネルギーをもたらす家具を目指しています。オフィスを効率のためだけの場所としてではなく、人が自然と集まり、関わり、刺激し合う場として考える視点が、ブランド全体を貫いています。
ミラノサローネで、日本発の新しいオフィス家具を発信

今回の出展先であるミラノサローネは、家具・インテリアの分野において世界でもっとも影響力のある見本市のひとつです。家具や照明、キッチン、バス、ワークプレイスなど多様な領域の最新動向が集まる場として知られ、世界中のデザイン関係者が注目する国際的イベントとして位置づけられています。そんな舞台に、NIIが初めて立つこと自体が、ブランドのグローバルな意志をよく示しています。
会場では、日本で先行発表されたコレクションに加えて、2026年の新作が世界で初めて披露されます。しかも、その中にはロンドンを拠点とするデザインスタジオIndustrial Facilityが手がける製品も含まれる予定です。既存コレクションを見せるだけではなく、新しい提案を世界のデザイン関係者に向けて発表する場として、今回のミラノ出展が位置づけられていることがわかります。
4組のデザイナーによる既存コレクションと、3つの新作

NIIの2025年ファーストラインアップは、すでに国際色豊かな顔ぶれによって構成されています。イタリア人建築家ミケーレ・デ・ルッキ率いるAMDL CIRCLE、ニューヨークを拠点に活動するTodd Bracher、Rodolfo Agrella、そしてJun Aizaki / Crèmeという4組のデザイナーが参加し、オフィスや共用空間で存在感を放つ独創的なプロダクトを展開してきました。アイコニックな造形だけでなく、使う人の想像力を喚起し、自然なコミュニケーションを引き出す仕掛けが込められているのが特徴です。

今回のミラノサローネでは、全世界初披露となる新作が3つ発表されます。詳細な製品名は現時点では広く明かされていませんが、既存ラインアップに加え、新たな視点を持つ家具が加わることで、NIIの世界観がより立体的に見えてくるはずです。加えて、Industrial Facilityによる新作の存在も予告されており、ブランドの表現がさらに広がっていくことを感じさせます。働く場の家具でありながら、彫刻のような存在感や、空間全体を活性化する力を持つこと。NIIが目指しているのは、まさにそうした領域なのかもしれません。
オフィス家具を、コミュニケーションを生む装置としてとらえ直す
NIIのプロダクトが目指しているのは、単に“よく働ける椅子”や“使いやすいテーブル”をつくることではありません。人をつなぎ、思考を促し、協働を後押しし、新たな価値を生むきっかけになること。品質、快適性、クラフトマンシップに細部までこだわりながら、魅力的で活気ある舞台としてのオフィスをつくることが、このブランドの核にあります。ここでいう家具は、空間の背景ではなく、場の性格そのものを形づくる主体として扱われています。
この考え方は、近年のワークプレイスを取り巻く環境の変化とも重なります。ハイブリッドワークの普及によって、オフィスに集まる意味は、単なる作業の場から、共創や対話、偶発的な出会いを生む場へと移りつつあります。そうした中で、家具には空間を美しく整える以上の役割が求められています。NIIはその変化に応答し、オフィス家具を“働き方の風景を更新する装置”として捉えているように見えます。形の美しさと機能を両立させながら、人の行動や気配までデザインの射程に含めている点に、このブランドの面白さがあります。
日本発ブランドが示す、これからのワークプレイスの美意識
これまでオフィス家具というと、実用性や合理性が中心に語られることが多かったかもしれません。しかしNIIが提示しようとしているのは、それだけではありません。仕事の場に、もっと自由さや高揚感、創造性を持ち込むこと。働くことを抑制された行為ではなく、もっと表現的で前向きなものとして見直していくこと。その視点は、家具というプロダクトを超えて、現代の働き方そのものに問いを投げかけています。
ミラノサローネという世界のデザインが交差する舞台で、NIIは日本発のオフィスファニチャーブランドとして初めてその思想を本格的に発信します。既存コレクションに加え、世界初公開の新作、そしてグローバルデザイナーとの協業。その積み重ねの先に見えてくるのは、オフィス家具を単なる設備ではなく、場を変え、関係性を変え、働く風景そのものを変えていく存在として捉える視点です。NIIの初出展は、日本のワークプレイスデザインがこれからどこへ向かうのかを示すひとつのシグナルになりそうです。
出展期間:2026年4月21日(火)〜4月26日(日)
時間:9:30~18:30
会場:Rho Fiera Milano Hall 22 / Stand A27
所在地:Strada Statale Sempione, 28, 20017 Rho MI, Italy