「Curious Matters(キュリアス・マター)」三菱ケミカルとポエティック・キュリオシティがタッグ。ミラノデザインウィーク2026で初出展

素材が持つ可能性は、どこまで拡張できるのでしょうか。2026年のミラノデザインウィークにおいて、日本発の新たな試みが注目を集めています。三菱ケミカルとクリエイティブスタジオPOETIC CURIOSITY(ポエティック・キュリオシティ)が協働し立ち上げたプロジェクト「Curious Matters(キュリアス・マター)」が、同イベントで初めて一般公開されます。科学と詩的思考が交差する本プロジェクトは、これからの素材開発とデザインの関係性に新たな視点を提示するものです。

素材開発とクリエイティブの融合から生まれる新たな視点

「Curious Matters」は、化学メーカーとして長年素材開発に取り組んできた企業と、実験的なデザインを手がけるクリエイティブチームの協働によって生まれたプロジェクトです。従来、素材は機能性や性能といった観点から評価されることが多いものでした。しかし本プロジェクトでは、その枠を超え、素材そのものの“意味”や“体験”に着目しています。

たとえば、透明であること、柔らかいこと、軽いことといった特性は、単なるスペックとしてではなく、人の感覚や記憶にどのように作用するのかという視点で再解釈されます。そこには、科学的な知見と感性の融合があり、従来のプロダクト開発とは異なるアプローチが見て取れます。素材が単なる手段ではなく、思考の起点として扱われる点に、本プロジェクトの独自性があります。

「Curious Matters(キュリアス・マター)」

今回の出展では、「Curious Matters」というコンセプトのもと、複数のインスタレーションやプロトタイプが展示される予定です。展示は、素材の物性を視覚化・体験化することをテーマとしており、来場者が五感を通じて素材の新たな側面を感じ取れる構成となっています。

空間内では、光の透過や反射、触覚的な質感、さらには音や動きといった要素を組み合わせることで、素材の持つ潜在的な魅力を引き出します。それぞれの展示は、明確な機能を持つ製品というよりも、未来の可能性を示唆する“問い”として設計されています。そのため、鑑賞者は一方的に情報を受け取るのではなく、自らの感覚を通じて意味を読み解く体験が求められます。

また、ミラノという国際的なデザインの舞台において、日本の素材技術とクリエイティブがどのように評価されるのかも注目されるポイントです。これまでにも多くの企業やデザイナーがこの場で新たな価値を発信してきましたが、「Curious Matters」はその中でも、科学と詩性を横断するユニークな立ち位置を築いています。

POETIC CURIOSITY(ポエティック・キュリオシティ)

左から、三好賢聖・青沼優介

「詩的好奇心」をテーマとして掲げるデザインスタジオ。青沼優介と三好賢聖によって2020年に結成され、東京を拠点に活動。詩的な想像に形を与えるようなデザインとものづくりを追求する。デザインR&D、リサーチ、実験など試行錯誤から生まれる発見を大切に、幅広いジャンルのデザインを行っている。SaloneSatellite 2024、alter.tokyo 2025など展覧会への出展多数。

URL:https://poeticcuriosity.com/

  • デザイン・アートディレクション:POETIC CURIOSITY(青沼優介+三好賢聖)
  • メカニカルデザイン:高野慎太郎(株式会社Makership)
  • 3Dデザイン:津島岳央
  • 制作協力:戸塚琉也、村尾信太郎、神山真美子
  • グラフィックデザイン:簑島さとみ
  • サウンドデザイン:小西遼
  • 写真・映像:浅葉未渚、高田亜美
  • プロジェクトマネージメント:瀧口幸恵
  • コーディネーション:金森裕貴子
  • PRサポート:山本真澄

三菱ケミカル株式会社

当社は1933年の創業以来、さまざまな素材を提供する総合化学メーカーです。「革新的なソリューションで、人、社会、そして地球の心地よさが続いていくKAITEKIの実現をリードする」というPurposeのもと、社会課題に最適なソリューションを提供し続け、素材の力でお客様を感動させる「グリーン・スペシャリティ企業」をめざしています。

  • プロジェクトマネージメント:須藤慶一
  • プロジェクトチーム:小野祐樹、橋本瞭、根本明史、田中英里
  • DURABIO™:山田寛太
  • 構造色フィルム:鈴木星冴、松浦春彦
  • ポリエチレン:阿部一成・黒川菜摘・古川千尋(日本ポリエチレン株式会社)
  • 3D プリンティング:中野雄太
  • クリエイティブサポート:Office io(澤ハナ+安東剛志)

これからのデザインと素材の関係性を問い直す試み

DURABIO™ : https://www.m-chemical.co.jp/products/departments/mcc/pc/product/1200363_9344.html

現代のデザインにおいて、素材は単なる構成要素ではなく、体験そのものを左右する重要なファクターとなっています。「Curious Matters」は、その前提をさらに一歩進め、素材を“問いの媒体”として扱うことで、新たなデザインのあり方を提示しています。

構造色フィルム:https://mcc-ams.com/products/222/

これは、機能性や効率性を追求する従来のプロダクトデザインとは異なり、より感覚的で、解釈の余地を持つアプローチです。たとえば、同じ素材であっても、その見せ方や触れ方によってまったく異なる印象を与えることができます。その違いに着目し、あえて曖昧さや余白を残すことで、鑑賞者自身が意味を見出す余地を生み出しています。

3Dプリンタ造形向けポリエチレン:https://www.j-polyethylene.com/guide/2576/

こうした試みは、今後の建築やインテリア、プロダクトデザインにも大きな示唆を与えるものです。素材の選定や使い方が、単なる機能やコストの問題ではなく、体験設計の中核として再定義されていく可能性を感じさせます。

ミラノ・デザイン・ウィーク2026初出展

「Curious Matters」は、素材とデザインの関係性を根本から見直すプロジェクトです。三菱ケミカルの技術力とクリエイティブチームの発想力が融合することで、これまでにない視点から素材の価値が再解釈されています。ミラノデザインウィーク2026での初出展は、その可能性を世界に向けて提示する重要な機会となるでしょう。

素材が持つ本質的な魅力とは何か。それをどのように感じ、どのように生活の中に取り込んでいくのか。本プロジェクトは、その問いに対するひとつのアプローチを示しています。今後の展開にも注目が集まります。

Curious Matters(キュリアス・マター)

出展社名:POETIC CURIOSITY + MITSUBISHI CHEMICAL CORPORATION
会  期:2026年4月21日(火) – 4月26日(日)
開場時間:4月21日~25日 10:00 – 20:00(最終入場19:00)、26日10:00 – 18:00(最終入場17:00)
会  場:MoscaPartners Variations, Palazzo Litta, Corso Magenta 24, Milano, ITAL
主催:三菱ケミカル株式会社、POETIC CURIOSITY(ポエティック・キュリオシティ)
ポリエチレン素材協賛:日本ポリエチレン株式会社
3Dプリント技術協賛:株式会社昭栄美術