レンゾ・ピアノによるアメリカ西海岸最大級の美術館「ロサンゼルス・カウンティ美術館(LACMA)」

レンゾ・ピアノが設計した、ロサンゼルス・カウンティ美術館(LACMA)は、アメリカ西海岸最大級の美術館です。レンブラントやセザンヌ、ゴーギャンなどの西洋絵画から、現代アートや日本美術まで幅広いジャンルを網羅しており、美術史6000年を超える作品が展示されています。また、1910年に設立され1961年に独立したLACMAは、ロサンゼルスの文化的な中心地に位置し、毎年150万人以上の訪問者を迎えています。

レンゾ・ピアノ設計の「ブロード現代美術館(BCAM)」

2008年にオープンした新館は、「ポンピドゥー・センター」や「チバウ文化センター」などで知られる建築家レンゾ・ピアノ氏が設計しました。建物に使用されている石灰華のパネルは、どこかロサンゼルスらしさを感じさせるデザインとなっています。

入口にはくクリス・バーデンのパブリックアートでお出迎え

LACMAの入口でまず目を引くのは、過激なボディアートで知られるアーティスト、クリス・バーデンの代表作「アーバンライト」です。この作品は、観客の前で自身の腕を助手に銃で撃たせた衝撃的なパフォーマンス「Shoot」で名を馳せた彼が手がけたパブリックアート。多くの街灯が美しく並ぶ「アーバンライト」は、昼間も夜も訪れる人々を魅了し、LACMAの象徴的な存在となっています。

赤い鉄骨の柱が奥まで続きます。その先には、新館があります。

新館のエントランス付近には、渡り廊下とテラスが組み合わされており、赤い色がアクセントとして美しく映えています。外部に通路のような空間を取り入れるデザインは、「ポンピドゥー・センター」を彷彿とさせ、まさにレンゾ・ピアノらしい独特の魅力を感じさせます。この大胆で開放感あふれる構造が、新館の個性をさらに引き立てています。

室内は自然光が降り注ぐノコギリ型の屋根

室内は、ノコギリ型の屋根が特徴的な設計となっており、天窓から自然光がふんだんに差し込むようになっています。そのため、明るく開放的な空間が広がり、展示されている美術品が自然光の中で美しく引き立つのが印象的です。この巧みなデザインにより、訪れる人々に心地よい空間と視覚的な楽しさを提供しています。

自然光でない展示空間も照明で同じような空間になっています。

展示室は、どのような展示にも対応できるよう、柔軟に使える設計が施されています。空間の構成やレイアウトが自由に変更できるため、多種多様な美術品や展示内容に応じて最適な演出ができます。この配慮により、常に新しい発見や魅力を感じられる展示空間となっているのです。

均質な空間に差し込む安らぎのスペース

館内は均質な空間が続く設計になっていますが、その中に外の景色が見えるスペースがいくつか設けられています。この工夫により、展示に集中しながらも、ふと緊張がほぐれる瞬間を感じられるでしょう。外の光や景色が視界に入ることで、空間に心地よい変化が生まれます。

基本的には立体的な構成はなく、平面的な建築が多いですがこんな空間もあります。

突如現れるリチャード・セラの巨大な彫刻。

2,3階でも先鋭的な現代アートが数多く展示されています。

レンゾ・ピアノによるアメリカ西海岸最大級の美術館「ロサンゼルス・カウンティ美術館(LACMA)」

アメリカ西海岸最大級の美術館「ロサンゼルス・カウンティ美術館(LACMA)」は、世界的に有名な建築家レンゾ・ピアノが手がけた洗練されたデザインが特徴です。また、LACMAは、豊かなコレクションとともに、独創的な建築も楽しめる、美術と建築が融合した文化を表しています。常に新しい展覧会やイベントを開催しており、何度訪れても新たな発見がある場所です。ロサンゼルスを訪れた際には、ぜひ足を運んでみる価値があります。

Los Angeles County Museum of Art – ロサンゼルスカウンティ美術館

開館時間:11:00~17:00(金曜日~20:00/土日10:00~19:00)
休館日:水曜日
入館料:$15
電話:+1 323-857-6000
URL : http://www.lacma.org
住所:5905 Wilshire Blvd, Los Angeles, CA 90036, USA