建築家・原広司が手掛けた、軽井沢の自然と融合した洋画家・田崎廣助の美術館「田崎美術館」
田崎美術館は、「建築と自然の融合」をテーマに建てられ、1975年に文化勲章受賞した洋画家・田崎廣助の作品が展示されている美術館です。軽井沢駅より車で10分の立地で、周辺には野鳥の森などがあり、まさに自然と融合する美術館です。設計者は、世界初の連結超高層ビル梅田スカイビルや京都駅などを設計した原広司です。
軽井沢の自然と融合する美術館
田崎美術館の建築は、両側にガラスが囲まれており、積乱形の屋根や幾何学的な壁面構成が特徴的で軽井沢の自然と溶け込むようにデザインされました。
雲形の屋根は光の反射板としての役割を果たし、透明な軽井沢の空気をさらに一層透明にする効果を狙っています。田崎美術館は、昭和61年に「日本建築学会賞」を受賞しています。
夏の期間だけ開館する美術館
美術館は冬には閉館してしまうため、夏に最適化した設計になっています。戦前、戦後を通じ第二の故郷として軽井沢を心から愛した洋画家・田崎廣助の作品だけを展示し、軽井沢の自然の変化に合わせた建築を作り出しました。
中庭を囲むように、展示室や資料室、応接室、研究室、ロビーなどが機能的に配置されています。また、遺作展示や画人文化交友の資料を常設した美術館でありながら、他方で公募展、講演会、研究会など文化社交の場としても活用できるよう配慮してされています。
自然光を柔らかく取り込む空間
展示空間は、ハイサイドライトを基本として、教会建築のように天井方向から自然光を柔らかく取り込んでいます。絵画作品の保護のために日光が直接当たらない配慮でもありますが、館内に神聖な雰囲気と森の木漏れ日のような自然を感じさせてくれます。
また、中庭に面したオープンな空間は、いろんな角度から入ってくる光を建築と融合させています。これにより時間や季節の移り変わりを感じさせてくれます。
建築と自然が融合する「田崎美術館」
軽井沢の自然を崩さないように、建築を融合させることをテーマに建てられた田崎美術館。中軽井沢駅から徒歩20分なので、気候がいい時は自然を自然を感じながら歩いて美術館に向かうのも楽しそうですね。外にいるのか内にいるのかわからなくなるような空間で自然をたっぷり感じられる作品です。
軽井沢・田崎美術館
開館時間:5月 1日 ~ 9月30日 10:00~17:00
10月 1日 ~11月 3日 10:30~16:30 ※入館受付は閉館の30分前までです。
休 館 日 : 水曜日
住所:長野県北佐久郡軽井沢町長倉横吹2141-279
電話:0267-45-118610
URL :http://tasaki-museum.org