【ミラノデザインウィーク2022】Time &Style による建築家ピーター・ズントーとの世界初家具コレクション
2022年6月7日(火)から12日(日)の期間、イタリア・ミラノで家具見本市ミラノ・サローネと共に世界最大とも言えるデザインイベント「ミラノデザインウィーク2022」が開催されました。新型コロナウィルスの感染拡大の影響で例年通りの4月から6月へと開催が延期されたものの、イベントは大盛況のうちに幕を閉じました。「日本の伝統技術を現代の生活に進化させる」をコンセプトに、永く使い続けられる、素材が持つ手触りを大切にしたものづくりを追求する「Time & Style」では、建築家 Peter Zumthorとのコラボレーションによる家具コレクションをメインに新作や代表作の展示を実施。連日多くの注目を集めました。
Time & Styleヨーロッパでの2店舗目をオープン
2022年6月、ミラノデザインウィークの開催とともに、ヨーロッパ2店舗目となるショールームをミラノ・ブレラ地区にオープンした「Time & Style」。1800年代に建てられたネオクラシック様式の建築との出会いによって、新しい空間が生まれました。
家具をはじめテーブルウェア、日本人作家による工芸品や盆栽などで構成された空間は、日常の営みを体現したショールームです。また、個人のお客様から建築家やデザイナーなどのプロフェッショナルのお客様までが集う、ビジネスの拠点となっています。
Peter Zumthorによる家具コレクションを発表
ミラノデザインウィークでは、建築家 Peter Zumthorと作り上げた家具コレクション「Peter Zumthor collection」を発表。
彼が建築プロジェクトのためにデザインしてきた家具を再構成し製品化した、世界初となるPeter Zumthorの家具コレクションです。Zumthor氏が作り出す普遍的なデザインを日本独自の製造技術と素材によって実現しました。6月のミラノデザインウィーク開催に合わせ、ミラノと東京で同時発表し、日本の技術の高さを世界に向けて発信しました。
中でも注目を集めたのが、スイスの渓谷ヴァルスの石材を何層にも積み上げて作られた温泉施設「Therme Vals」のためにデザインされたシェーズロング。等間隔に並べられた木の積層材のフレームは、人の体に馴染むように柔らかなカーブを描き、細身の金属脚は木のフレームを軽やかに持ち上げています。オリジナルのフレームは木の積層材を使っていますが、日本で製品化するにあたり、日本の伝統的な無垢材の曲木技術が用いられています。無垢材を高温で蒸してから金属の型に合わせて曲げる曲木加工は、100年前から現在に至るまで変わらずに手作業で行われています。
また、イタリアのインテリアブランドBoffi | DePadovaとのパートナーシップによって誕生したコレクション「Time & Style ēdition」は、2022年で発表から3年目を迎えました。イタリアと日本、双方の歴史と文化への深い敬意によって実現したコレクションは、2022年に新たなラインナップを加え、全22シリーズを展開。
無垢材を用いた木工製品や和紙の照明など、日本に受け継がれている自然素材によって作られた製品が新しい世界観を創り出していました。
日本の技術力と世界のデザインとの融合によって新たな空間を生み出す
日本の素材を用いて、伝統技術を継承する職人たちによって、世界各地のデザイナー・建築家とともに優れたプロダクトを提案する「Time & Style」。異なる文化の呼応によって生み出されるアイテム・空間は、多くの人を魅力する心地よさと美しさを内包しています。