建築家・田根剛が手がけた自然の循環を感じる壮大なカフェ「GYRE FOOD」

近年注目を集める建築家・田根剛は、1979年東京都杉並区生まれの建築家。代表作に2006年に受賞した国際コンペ「エストニア国立博物館」をはじめ「弘前れんが倉庫美術館」「Todoroki House in Valley」などが挙げられます。田根さんは建築における記憶を大切にし、アーキオロジー(考古学)的観点から建築を見つめ、建築を創造する土地の記憶や歴史と調和する建築を生み出します。

大地が成長し建築物を作り上げたかのような空間

GYRE FOODのコンセプトは「循環」。食物は全ての恵みから生まれ、私たち動物の体に入り、最後はまた地球へと帰っていく。そのサイクルを改めて感じて、考える場所であって欲しいと思いを込めてこのような空間になっています。まるで地面が自ら成長を望み、大地から立ち上がっているかのような空間は訪れる人に大地の力強さを感じさせます。この空間でドリンクを楽しむことも可能で、まるで大地の上でカフェを楽しんでいるかのような気分になります。

コンセプトに対する空間内で使用されている素材の対応は素晴らしく、床にも壁にも土が練り込まれています。また、至る箇所に木々が生い茂っており、まるで森林の中でカフェを楽しんでいるような錯覚を起こします。コンセプトに対して素材で回答する田根剛さんのデザインに対する力の入れ方には脱帽です。

ここはGYRE FOODに設けられているバースペース。床はもちろん、カウンターにも土が練り込まれていることがみて取れます。グラスやお酒が並ぶショーケースからでる暖色の光が天井の無機質な銅板に反射しカウンター全体を照らします。自然素材を用いた床、カウンターと、天井の無機質な人工素材の対比は美しく、決して自然素材だけでは出せないアーティファクトな雰囲気を感じさせる空間となっています。

高品質なグロッサリーショップでお買い物

グロッサリーショップに並ぶのは、全国からセレクトされた調味料やパン、作家ものの器や調理道具などです。どれもおしゃれで、高品質なものばかりです。GYRE FOODで食事を楽しんだ後に自分のお気に入りの商品を見つけて購入してみてはいかがでしょうか。おうちに帰ってもGYRE FOODの雰囲気を思い出させてくれるかもしれません。